原文はこちら:フェイスブック・情報レジストHP。
6月25日の分はこちら。
和文: O.P.
※ 3月10日からウクライナで活動しているボランティア情報局、「情報レジスト」(”情報で抗議する”)リーダが発信しているその日の記録を和訳したものである。※ ======================================
■ 悪かったこと ■
(1) 来る27日に終わる停戦は無駄であった。(得られた結果は、ウクライナ政府にとっての政治上のメリット(それも、妥当な評価には早い段階だが)くらいである。)
武装集団は相変わらず攻撃を続けている。ミズハタネズミの目をしたツァリョーフ氏※は相変わらず、ルハンスクやドネツク「人民共和国」の憲法どうの、「人民共和国連合」こうの、非現実的なことを吹かしている。
とはいえ、これには一つ、せめての救いがある。テロリストらがツァリョーフをサーカスのスポークスマンと認めたからには、塀の中に入っていただいた暁には組長を決める手間が省くだろう。
※ツァリョーフ=元ウクライナ大統領選候補。ロシア後押しの連邦制導入、ドンバスの分離独立運動を支持しており、資金・兵器の調達に密接に関わっていると言われ、出馬を取り消した。その後、「南東」(ウクライナ南東部を独立させロシアに結び付ける運動)のキーパーソンとなり、「ドネツク・ルハンスク人民共和国」を代表して登場することが多い。最近では、2「人民共和国」を「連合」にする、各共和国および「連合」とやらの憲法作成に取り組んでいるなどと主張している。※
- O.ツァリョフ
- ミズハタネズミ
(2) ハリコフ市ユーロマイダン支持者V.ビストリチェンコによると、デモ時にプーチンについての某チャントを叫んでいたとして、ハリコフ市の裁判所が本人その他2名に50時間の無報酬業務が刑罰として科した。(※某チャント「プーチン・フイロー・ララララララララ」については、6月18日の巻末解説をご参照)
プーチン・ヒットソングだけで罰を科すような裁判官は、とても愚かな者か勇気のある者のいずれかである。このソングは我が国の国宝、イギリスのビッグ・ベンのように不可侵のものでる。
それに、世の中には他に、「ラララ」を含む僅か3つの単語で、登場人物の性格の面、また国際政治上の面をそこまで正確に描いている曲などないのだろう。
誤解のないように、裁判官にはその動機を説明していただいた方が良いだろう。
(3) クリミアの傀儡(かいらい)政府は造船会社「モーレ」(「海」という意味)をクリミア共和国として「国有化」した。
我らから見てありがたいことに、クリミアに位置したウクライナの産業施設はたかが知れている。クリミア占拠と共に失った、軍需産業の分野で本土にはない大事な企業は2つのみ。一つはエアクッション揚陸艦を製造する上記の「モーレ」社、もう一つはパラシュート製造会社である。
そうは言っても後者は、本土でも復元させる手立てはある。しかし、名高いエアクッション小型揚陸艦「ズーブル」には、さようならしなければならない。クリミアから占拠軍が去る日まで。
■ 良かったこと ■
(1) ポロシェンコ大統領は、停戦が終わる6月27日までテロリストらが平和計画の条件を受け入れない場合「大きな決断を下す」約束をした。また、テロリストらの代表が「金曜日の会合に参加したい意志を示した」とも述べた。
どんなつもりなのか、気になって仕方がない。しかし、ポロシェンコの雰囲気から判断すれば、武装集団が再びお茶を濁すような真似をしたら、大統領は果敢に動く用意があるようである。
いずれにせよ、行動を見て初めて賞賛することとしよう。今は、反テロ作戦軍が妥当な命令を待ちきれないでいる。野放しにされている武装集団が停戦をいいことにその陣地を強化している間、何もしないでいるのは耐え難いのである。
(2) ポロシェンコ関連でもう一つ、より定まった頼りを。本日欧州評議会議員会議(PACE)にて、クリミアを返してもらわないことにはロシアとの関係回復は不可能であると述べた。
まったくその通りである。
ただし、言葉だけではだめである。至急、クリミア返還に向けて行動を取らなければならない。これから作成されるだろう(いつになることやら)ウクライナの国家安全保障戦略と軍事政策、また今後の軍隊改革過程も、この問題を優先課題として捉えることを祈る。クリミアはウクライナにとって、ドンバス危機解決の次に大きな軍事・政治的問題なのだから。
(3) 治安部隊によると、ロシアからの武装集団がウクライナに入国するときは妨げることなどしないロシア国境警備隊は、ウクライナを抜け出しロシア領土に逃げ込もうとするテロリストらを射殺している。
とてもソ連の内部人民委員部らしく、プーチンらしいやりかたである。テロリストらが学ばなければ入れない。ドンバスは、入るは易く去るは難し。前からは反テロ作戦軍が砲撃し、背後からはロシアの友が撃つ。地獄へようこそ、である。
(原文: ドミトロ・ティムチュック)




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