【情報レジスト】 一日のまとめアーカイブ(4月2日~17日)

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「情報レジスト」による一日のまとめ、4月2日~4月17日までの和文です。それぞれの日付をCtrl+Fでお探しください。
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4月17日(木)

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■ 悪かったこと ■

① ロシア大統領が完全にプーチンワールドに入り込んでいる。戻ってくることはなかろう。

きょう行われた生中継(プーチンが一般市民から質問を電話で受けて答えるもの)は、高熱にうなされる人のうわ言のようであった。東ウクライナを、ロシアに根付いている「ノヴォロシア」(「親ロシア」)と言い出した言葉からして、ひどかった。

ウクライナ東部にロシア軍がいる話は「たわごと」だとか。3月にはクリミアにもいないとあれほど言っていたこの人は、同じ中継の中でクリミアの「自警団」の背後にはロシア軍がいたことを認めている。

嘘に嘘を重ねているプーチン氏の話はもはや信じる人はいないと思えそうだが、ロシア国にはうんうんと、王様の言葉に納得しきっている人は大勢いるのである。

② 東部では相変わらず過激集団が暴れる。「情報レジスト」コーディネータの一人の地元スタハノフ市(ルガンスク州)も不安定で、またドネツク市でも親ロシア派が悪さをしている。

今まで安定していたザポリージャ州でも、親ロシア集会の可能性があると地域自治体が恐れているよう。しかし、その「可能性」のありどころは東部ではない。われわれの情報では、きょうクリミアのサキ飛行場にはプーチンツアー便が上陸し、乗客はザポリージャのナンバープレートのマイクロバスに乗り込んでいた。悪い知らせである。

■ 良かったこと ■

① ジュネーブ4者会合では、一連の項目で合意が得られている。その中には、占拠されている各施設の排除や過激集団参加者らの恩赦を、「両側が保障するように」求められた。

問題は、ロシアを信頼できるか、である。東部の困惑に関与していることを認めてはいないのだ。つまるところ、上記のことに合意しても、その言葉には中身がないことになる。
したがって、これらの合意にどれほどの効力があるかは非常に疑わしく、筆者自身の考えでは、ロシアの参加は新たな制裁措置を避けるためのダマシでしかない。

しかし、いずれにせよ国際レベルでようやく対話ができたこと、また、しばらくは軍事介入を控えてくれるだろうことは、よいことである。

② 東部騒動もあり、クリミアに残されたがロシアが好きなわけではないウクライナ人の問題に対する認識が薄れてきている。

もちろん、これ自体が「よかった」わけではない。良かったのは、社会問題を掲げて選挙活動を行っている大統領選候補者、コロレヴシカ氏がきょう、クリミアを訪れ、現場の声を聞いたことである。社会問題に詳しいコロレヴシカ氏なら、ウクライナ国家がクリミアに置き去りにされたウクライナ国籍者に対して持っている義務があやふやになっている状態を、表に出してくれるだろう。

クリミア住民は、4月18日(金)までロシア国籍を取るかの決断をロシアに要求されており、ロシア国籍を放棄した者の運命は、18日以降はだれにもわからない。(「訳者コメント」をご参照)

中央政府が口にしないこの人たちの問題を、忘れてはならない。選挙活動の一環としてでいいので、政治家たちがどんどん取り上げてくれるとよい。抽象的な「クリミア住民」なのではなく、一人ひとりが、私たちの兄弟姉妹なのだから。

③ ドネツク市ではきょう3千人、ルガンスク市では千人の人が、一致したウクライナを唱える集会に参加した。

多いのか少ないのかは、筆者には判断できない。しかし、これは武器を持った親ロシア派を恐れなかった人たちだけである。安定し一致したウクライナで平和に暮らしたいことをただただ願っている人は、その100倍はいるに違いない。

(byドミトロ・ティムチュック)

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■ 訳者コメント: クリミア住民の国籍について

(http://forbes.ua/opinions/1369087-pasportnyj-nokaut-dlya-kryma、またhttp://fakty.ictv.ua/ua/index/read-news/id/1512208に基づき作成)

クリミア住民の国籍決定は、ロシアの国籍取得法ではなく、クリミア編入条約に基づいて行われる。条約の5項には、クリミア編入時点でクリミアに在住しておりウクライナ国籍を保持している者は、1か月以内にウクライナ国籍を保持したいと申し出ない限り、自動的にロシア国籍保持者として認められる、とある。(一部省略)

■ なにもしない場合
4月18日をもって自動的に「ロシア国籍保持者」とされる。

自動的にロシア国籍と認められても、ウクライナ国籍を放棄しない限り、国内ではウクライナ国籍保持者と見なされる。二重国籍は認められないので、ロシア国籍保持者(=外国人)のような入国制限などに当てはまることはない。
しかし、クリミア内ではウクライナ国籍保持者として認められなくなり、ロシア国籍保持者と同じ義務(納税や兵役など)を担うことになる。また、「ウクライナの国籍を保つ意志を表した者が僅かであった」という演出のためのデータにもなる。
なおこれは、クリミア外に住んでいるが何らかの理由でクリミアに籍を置いている者全員に当てはまる。

■ ロシア国籍を放棄すると申し出た場合

願書を書き申請しなければならない。
受理された場合は「ロシアの領土に住む外国人」と認められる。ロシア独特の義務を担うことはないが、そのかわりビザのようなものを定期的に取得する必要が生じ、不動産所有権などの問題が出てくる。自分の生まれ育った家などを所有し続けるためには「永住権」を申請しなければならなくなるが、もらえる保証はない。

「1か月以内に意志表示を」と言っても、4月上旬まではそれができる場所も願書の用紙もなかった。4月上旬になってようやく4か所の入国管理局臨時出張所が設置されたが、すべてシンフェローポリから40キロ圏内にあった。しばらくして更に5か所が設置されたが、その宣伝は大してされていなかったよう。
各出張所の仕事は円滑なものから程遠く、時間お金をかけてそこに並ぶ人を全員処理できる確証はない。ロシア国籍を放棄したくても、場所がわからない、やり方が分からない、そこまで行く余裕がない、また放棄してしまえば周りに疎開させられるのではという恐れを抱えるなど、多くの障害を克服しなければ期限までは間に合わない。

願書は、著名することでついでにクリミア編入条約の合法性を認め、ロシア国籍放棄に伴ういかなる法的責任をも承知することになるが、その「法的責任」とはどのようなものなのかは、説明されていない。

期限は、4月18日のきょう。

 


 

4月16日(水)

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■ 悪かったこと ■

今日の「悪かったこと」は、ひとつだけにする。他になかったわけではないが、これが何倍にもひどかったからである。

待ちに待った反テロ作戦は、期待を裏切っている。

軍隊の行動もコメントのしようがないくらい不思議だったが、状況を明確にしようとしているうちにわかったのは、その不思議さにはそれなりの、それも呆気にとられるような原因があるのだ。(※おそらく、クラマトルスク市付近でウクライナ軍の装甲車が乗っ取られ中の兵隊が武器を取り上げられたことであろう。)

詳細はお伝えできないが、結論から言えば、作戦の計画や課題設定はできているものの、実行の際に許される行動には厳しい制限が設けられているために、その課題を果たすことは不可能に等しいのである。これだけの制限の中でこの作戦を成功に導くのには、神級の存在でなければならない。もしそのような者がいたとしたら、イエス・キリスト並みに海の上を歩いたり病人を癒したりできそうである。

17日の4者会合(ジュネーブ)の後にこの制限が変わるかはわからない。ただ、こんなふうに兵器を乗っ取られることになるくらいなら、兵たちを振りまわすことなく過激主義者らに武器を直接配ればよかったのでは。

ちなみに「情報レジスト」は、ウクライナの国境付近で300名からなるロシアの特殊部隊が集結しているとの情報があり、またロシアのタガンローグ市(アゾフ海海岸)では約2000人のグリーンマンが出発を待っている。(※グリーンマンについては4月15日「訳者コメント」をご参照)

暫定政府には、真剣に考慮してほしい情報である。

■ 良かったこと ■

① ユリヤ・ティモシェンコ(前政権時に裁判にかけられ刑務所に入り、政権崩壊とともに「大統領選に出馬する」と宣言するもあまり歓迎されず)は、ロシアの侵略が起こっている地域では速やかに非常事態宣言をしなければならないと主張した。

ティモシェンコ氏による選挙活動の一環でしかないことは、よくわかる。しかし意図はどうであれ、今のウクライナにとっては必要な主張である。非常事態が宣言されれば、治安部隊も随分動きやすくなるだろう。

② ロシアがやっと、クリミア侵略に由来する経済的問題に直面していることを認めた。

ウリュカエフ経済発展相(露)は、「国際情勢の緊迫化」と「資金流出」で、ロシアの経済発展がゆるやかになったことを語った。同時に、アメリカも新たな制裁措置に踏み出すことを決定している。

クレムリンが、ただ事では済まされないことに気付き始めているようである。その気づきが更なるウクライナ侵略の阻止に繋がるのかは、また別問題であるが。

③ ロシアのメディアはヤヌコヴィッチ前大統領が復活祭(20日)頃ドニエツクに戻ると報道したが、それに対するオレグ・マフヌィツキー検事総長代行(ウ)の答えが「良かったこと」のひとつ。

ヤヌコヴィッチ氏を容疑者として、重犯罪に関わる4つの訴訟が起こされている。ウクライナに戻ってこようものなら、それなりの歓迎会を開かれるとのこと。検察にこの言葉を実現させることができるかはわからないが、臆病者のヤヌコヴィッチには頭を悩ませるもう一つのきっかけを与えられた。

全体としては、きょうという一日を振り返ると心が曇る。
なので、以前この「一日のまとめ」でやっていた、「祈り形式」で閉めたい。
明日は、神がウクライナを捨ててなどいないと思える一日になりますことを。

(byドミトロ・ティムチュック)

 


 

4月15日(火)

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■ 悪かったこと ■

① メドヴェージェフ首相(露)の、ウクライナ内戦を予想しているような発言。反テロ作戦が始まる前から「ウクライナでは再び血が流されている。全国に内戦の予感が漂う。悲しいことである」と述べている。

悲しいのはしかし、メドヴェージェフ氏の偽善者っぷりである。

ウクライナ側の具体的な軍功がまだ始まっていない時点でそう言われることで、ウクライナ人の手でウクライナ人を滅ぼそうとするプーチンの狙いを垣間見ることができたのはありがたい……この、うっかりさん。

② ペスコフ大統領報道官(露)は、ウクライナ東部にロシア軍がいるような主張は事実無根で「とんでもない」とした。

数週間前に「クリミアにロシア軍なんていない」とモスクワ代表者が口角に泡を立てる様子は、よく覚えている。しかし実際、2万2千人もいたことがあとになって発覚しているではないか。

クレムリンの皆さまには、ロシア国内軍の人数確認をお勧めしたい。たとえばGRU管轄下の第2特別旅団(プスコフ州配属)の一部など、留守にしていると、われわれ「情報レジスト」が耳に挟んだもので。

■ 良かったこと ■

① 反テロ作戦。
なかなか始まらないことに耐えきれなかったのか、ロシアのマスコミが「平和的住民の死体が山積みに!」系の情報を流しパニック状態を作りだそうと必死である。

しかし実際には、15日は準備に費やされ、具体的な軍功は狭い範囲で点々としかなされていない。たとえば、占拠されていたクラマトルスク市の飛行場が解放され、またスラビャンスク市の飛行場を占拠しようとした分離主義者らを追い返すことができた。

地域全体ではまだ大きな動きがなされていないが、これは準備が徹底的になされている証拠として捉え、悲観的にならないでいただきたい。

② セヴェロドニエツク市とリシチャンスク市では、現地の炭鉱作業員が結託し分離主義者の試みを防ぐことに成功したとの情報が入っている。共同自警団が形成され、また「プーチンツアーバス」の到着に備えて検問所が設けてある。

ロシアの「グリーンマン」の支えなしには、現地の分離主義者が少数であり力は持っていないことの、よい現れである。

③ ドニエツク州知事タルータ氏は、州の市町村リーダの臨時会議を行った結果、参加者は「分離独立主義的活動を批判し、ウクライナの国民的一致と領土の保安を支持する」意志を表明したと報告している。

ほかにも、中央政府がようやく地域の声に耳を傾け地方分権の用意があるとも語っているが、これはもうしばらく待っていただきたい。今は、国を守ることが第一である。

簡単に言うと、ウクライナ人であろうが、ウクライナの国旗を掲げる者は「仲間」、ロシアの国旗を上げ国を滅ぼそうとする者は、「敵」。À la guerre comme à la guerra.(戦争は戦争らしく/これが戦争なのだから。)

(byドミトロ・ティムチュック)

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■ 訳者コメント: 「グリーンマン」とは

現地の「自警団」を装ってウクライナ領土内で軍功を行うロシア工作員のこと。

最初に2月末のクリミアで目撃された。階級章を除いた軍服姿で、姿勢や動きからは軍事のプロである様子が明らかだが、正体を問っても「ノーコメント」と答え、軍服以外ではどこのだれなのか判断する具体的な手がかりがないために、緑色の迷彩色から「グリーンマン」(「緑色の小人」)と名付けられた。

2月27日にクリミア議会とクリミア内閣の庁舎をこのグリーンマンらが占拠し、その占拠された状態でアクショノフ氏が新たなクリミア首相になるなど、クリミアのトップが数日間で変わっているのはグリーンマンがいてのことである。なおプーチンは、「ロシアの軍ではない、海外で訓練を受けた現地の自警団である」と2月末の記者会見で主張。それまで「ノーコメント」を貫き通したグリーンマンらは、会見以来「自警団」と自称するようになった。

現在は、ドニエツク州の各地で目撃され、クリミア時と同一人物を捉えた映像もある。去る週末に起きたドニエツク州の一連の行政施設占拠も、このグリーンマンらが主導力。

ウクライナにこれだけ海外の訓練を受けているプロがいたとは、ウクライナ人として驚きである(←イヤミ)。

 


 

4月14日(月)

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■ 悪かったこと ■

① 東部の過激集団は暴れ続けている(12、13日はドニエツク州一連の町において警察著などの行政・治安施設占拠・占拠未遂が起きている)。中央政府が「ファイナル忠告」を出し続けるも相手にされず、むしろ占拠側から「最後通牒」を突きつけられることに。
忠告しては結局行動に出ないという優柔不断な態度を取っている中央政府はますます信頼を失っており、不戦敗を考えているのではとすら思えてくる。この上なく遅いが、トルチノフ大統領代行がようやく反テロ作戦政令を承認したことがせめての救いである。

② クレムリンが「東ウクライナから直接プーチンに助けを求める声を多くいただく」と言い出した。
クリミア占拠の記憶がまだ新しい今、この「助け」とはどのようなもので、また「助けを求められている」発言の目的が何なのかは、明らかである。先日浮上したクリミア住民の「意識調査」と同様、軍事介入の口実が我らの目の前ででっち上げられている。

③ ロシアのマスコミはきょう、ウクライナの第25空挺旅団が、政府に逆らい12日から警察著など行政施設を乗っ取られているスラビャンスク市(ドニエツク州)の過激集団に加わったと報道した。
しかしこれは捏造である。確かに、問題が生じ、旅団が反テロ作戦に加わることが困難になったが、過激集団に寝返るような事実はまったくない。

④ 地域党(前政権時からの与党)はウクライナ軍に対し「暫定政府の非合法的な指令に応じないように」と呼び掛けた。
言葉を絶する。数ヶ月前にウクライナ国旗を掲げ自分の権利のために戦う反政府デモ隊を射撃させても平気だったこの人たちは、今度は銃を片手に異国の旗を挙げたテロリストの排除に対しては「非合法的な命令」などと言う。やはり、地域党が少しでも権力を握っている限り、ウクライナが本当の意味で自由になる日はまだ遠そうだ。

■ 良かったこと ■

① 先日ロシアが呼び掛けた国連安全保障理事会の様子からは、ロシアが世界の信頼感を失っていることが明らかである。また、欧米ともに新たな制裁措置を速やかに導入する用意があると述べている。

② 限りなくローテンポでだが、警察・治安部隊が東部へ送り込まれつつある。中央政府の反応の遅いことは非常にもどかしいが、かなりの勢力が集まっていることは喜ばしい。後は、その勢力を効果的に導く者がいるか、である。

③ 反テロ作戦開始の承認と同時に、ヴァシリー・クルトフ中将が新たな国防庁第一副長官兼反テロ対策センター長に任命された。この人は特殊部隊のベテランで本物のプロ。今回の反テロ作戦をうまく計画し②の「効果的に導く者」になってくれそうだと、期待が高まっている。

(byドミトロ・ティムチュック)

 


4月11日(金)

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■ 悪かったこと ■

① ヤレーマ第一副首相によると、南東部の過激集団は政府に武力を使わせようとしている。背後に立つロシアにとって流血が好都合なのは前からわかっているが、現時点ではウクライナ警察が行っている交渉も大した成果を出していないのも事実である。

ここで最悪なのは、政権のあやふやな立場であると著者が思っている。2日間にわたり強制排除すると脅しておきながら、しまいには武力が使えない言い訳をしはじめた。流血を催促したいわけでは決してないが、テロリストらに応えるのには一つの立場を取りそれを堅く守るべきではないだろうか。

ちなみに今週末(12、13日)には分離独立主義者らの再活性化が見込まれている。警察・治安機関がきちんと備えていることを祈りたい。

② 「情報レジスト」が以前お伝えしてきた情報だが、国防省の発表では、クリミアにあったウクライナの兵器は、使えそうな部品を盗まれたり車両のタイヤをパンクさせられたりと、壊された状態で戻ってくる。戦車類はそう簡単には壊せないからか、40台近く使える状態で返してもらえたが、どこまで害を加えれば気が済むことだろうか。

捉えられていたウクライナ軍艦の帰還もようやく始まっているのはせめての救いである。

③ 「クレムリンの番犬」ラブロフ外務省(露)は、ロシアの国益に反するということでウクライナ南東部を編入させるつもりはないと語り、閉めには「ウクライナが今の国境内で一致した国であり続けることを願っている」と、ほほえましい言葉を送ってくださった。

自治共和国をまるごともぎ取っておいて、今度は「領土の一致を願う」などと言いだすとは、厚顔無恥にも程があろう。

④ 大統領選候補者ツァリョーフ氏(4月9日、良かったこと②を参照)は、5月25日に予定されている大統領選を中止させるためにはできるだけのことをすると、ドニエツク市の分離独立主義者らに約束した。

刑務所が似合いそうなこんな人でも大統領選に出馬できるとは。

■ 良かったこと ■

① ウクライナの景気が安定するまでは2年。首相のヤツェニュークの予想である。

ウクライナ人の多くと同じように首相の言葉は大して信頼していない。しかし、この予想が実現するためには一人ひとりの努力が欠かせないことも含めて、今回ばかりは信じたいものである。

② オデッサ市の街に最近見られるようになった反ユダヤ人的内容の落書きを、ユダヤ人コミュニティーと、ナショナリズムを唱える「ウクライナ人民自衛」の代表らが共同で取り除いた。

「ウクライナ人民自衛」(УНСО)はさほど好きなわけではないが、ユダヤ人を毛嫌いするとされる組織の代表たちがユダヤ人と肩を並べたこの行動には、大きな意味がある。

11月から続いた反政府抗議のときもユダヤ人が右翼の若者を指導するなど大活躍だったことも含めて、ウクライナは実にユニークな国である。ロシアのプロパガンダ発信機から「人種差別大国」「民族間摩擦」の濡れ衣を着せられまい。

③ ボランティアの努力で、シンデレラのごとく裸で裸足の我が国の軍のために大規模な募金活動が行われるほか、特定の部隊のために装具の購入がなされている。

素晴らしい試みである。ただ、部隊間で装具の形式が統一されていないことからして、ボランティアにできることには限界がある。制服がばらばらでは国の軍として格好がつかなくなること、また国防省が部隊別に異なる制服を継続させていくとは思えないことを考えると、今回ボランティアが提供した装具が無駄になりかねない。

まずは、国がきちんと軍隊に資金を与えているかどうか見守り、また軍内の汚職を排除するように努めることから始めなければならない。

そうすれば、ロシアをはじめ、人の前に出しても恥ずかしくない軍にできるだろう。

(byドミトロ・ティムチュック)

 


 

4月10日(木)

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■ 悪かったこと ■

① モスクワが進めているウクライナ分裂キャンペーンは、速度を落としたとはいえ、相変わらず無駄な神経・体力を使わされる。ドニエツク市・ルガンスク市のテロリスト問題は未解決、親ロシア集会が転々と南部で浮上したりする(ムィコラーエフの次にオデッサで現れた)。何よりも、国境付近で相変わらずロシア軍が終結。

これはおそらく、前倒し大統領選が行われる5月25日まで続き、選挙の中止を目指していると思われる。対敵協力者の努力次第では、ロシアの軍隊導入の可能性も捨てられない。

正直言って、うんざりである。
親ウクライナ政府もうんざりしているようで、ようやく根本的に、必要があれば力(警察・治安機関)を使ってでも解決すると主張し動き出した。もちろん、無駄な流血は避けたいものだが、その動きには大いに期待する。

② プーチンが、クリミア占拠の動機付けについて語った。ロシアはどうやら、事前にクリミア住民を対象に行った意識調査の結果(「80%近くロシア編入に賛成」)を見て動いたと言うのである。

プーチン氏がとぼけているのか、または天然なのかは、著者にはわからない。この方の発言を聞けば聞くほど、その心の健康が心配になってくる。

世界がその論理に従えば、戦争や領土の占拠が、事後に「実はね」と浮上するどこの誰が誰にやったのかわからない「意識調査」で正当化されるようになれば、この世の終わりもぐんと近づくだろう。

世界が、核兵器のバットを片手に狂い暴れるこの人を止めてくれますように。

■ 良かったこと ■

① 欧州評議会の議員会議では、ロシアの代表団を締め出して、今年いっぱい全権見直しを行うことに決定。ヨーロッパはもう、特にウクライナのことになると外交とプロパガンダ発信機がもはや一体化したロシアに茶番を繰り返させない体勢を取った。

それと同時に、“Freedom House”(人権侵害などの調査を行い政治的自由や民主主義を唱えるアメリカのNGO)リーダ、デビット・クラーマーはきょう、ウクライナではロシアの主張するような過激主義・急進主義的な出来事は見られないと話した。また、OSCE(欧州安全保障協力機構)からも、ロシア系住民の人権侵害が行われている証拠は確認されていあい。

プーチンお手製の嘘のカーテンは溶けだし、その分ウクライナを応援する声は高まっている。

② NATOは、黒海に勢力を集めつつある。既に黒海にいるアメリカの駆逐艦「USS Donald Cook」には明日11日に大きな情報収集艦「Dupuy de Lome」が加わり、更に14日はフランス海軍の駆逐艦「Duplex」が黒海に入る予定である。

NATOは、ウクライナ側に付き軍功に出ることはしないと主張しているので、ロシアが恐れることはないはずだが、占拠したての領土付近で対抗できるだけの力が集まっていることはかなりの精神的アタックにはなるだろう。

③ ウクライナ外務省の予想では、2015年1月からウクライナ人がビザなしでEUに行けるようになる。

著者自身は、ここ20年間で(EUではなく)ヨーロッパで訪問したのは主張で行ったコソボくらいなので、とりわけEUビザが排除されることには興味はない。しかし、多くのウクライナ人にとってこれは待ちに待った必要なことである。

また、これは一般のウクライナ人が実際に体験できる「EUとの関係」であり、また我らに対する信頼の表れでもある。今必要としている支援の、具体的な一歩が踏み出される。

④ (4月9日の②に続き)全ウクライナ自発的フラッシュモブ「厳しい現実」が絶賛進行中。オデッサ市では元地域党議員で大統領選候補者セルギー・ティギブコ氏が、住民らから「プーチンのバイタが!」との掛け声を浴び卵を投げられた。

これは、文明人である我らがするようなことでは、もちろん、ない。好き嫌いは、選挙の日に投票用紙を通して示せばよい。

しかしここは、一種の意識調査として、載せておくこととしよう。

(byドミトロ・ティムチュック)

 


 

4月9日(水)

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■ 悪かったこと ■

① 明日10日から、分離独立運動が再び勢いを増す見通し。主な目標は、5月9日に向けて狂気祭りを最大に盛り上げることのよう。[5月9日=第二次世界大戦の終戦を祝う日としてソ連時代から引き継がれている「勝利記念日」]

しかし、それはあくまでも向こうが予定していること。ウクライナの警察・治安機の働きっぷりを見ると、その筋書き通りにはならないだろうと予感。

ルガンシクで人質に取られていた人たちが解放されたことをはじめ、各地の庁舎を占拠している者は譲歩し始めている。占拠者たちも、少なくとも今の段階では勝ち目がないことに気づいている証拠だと思いたい。

② 地域統に次ぎ、ウクライナ共産党もその素顔の醜さを見せた。リーダのぺトロ・シモネンコは、東部には分離独立主義者・テロリストなどはおらず、共産党が庁舎を占拠した者の要求を支持すると言い出した。^

「分離独立主義者なんていない」発言に関しては、ごもっともである。

分離を唱えている者らの目指しているところは独立などではなく、ロシアへの編入なのだから、分離独立主義とは言えない。これは純粋な対敵協力、言い換えれば裏切りである。共産党がそれを支持していると明言したことで、自らその立ち位置をはっきりさせてくれたのだ。

■ 良かったこと ■

① 8日の深夜から9日にかけて、東部において保安庁による親ロシア者テロリストやロシア人けん制活動家の逮捕が相次いだ。ロシア軍がウクライナに入るための名目作りとしてここ三日間にわたり進められている大作戦の阻止が現実的になった。特に準備・コーディネートに携わっている人物の逮捕が、反ウクライナ網全体に大きなダメージを与えるだろう。

② 地域党を脱党し大統領選に出馬したオレーグ・ツァリョーフ(親ロシア派で連邦制導入を指示)が、選挙キャンペーンの一貫として負傷して入院中のムィコラーエフ市の分離独立デモ隊員をお見舞いしようとしたところ、「ロシアン・ファシスト!」と住民に卵やジャガイモを投げられ、殴られそうになりその場を追われた。

著者自身はヒューマニストである。暴力大反対。
「良かったこと」に入れたのはただ、これで立候補されている方々が、ムィコラーエフ市の医療のひどい状態に目を向けてくださるだろうと思ったからである。

※(訳者コメント)ツァリョーフ候補者はかなりの親ロシア派でウクライナの分裂を激しく喜ぶ人物です。それと同時に、教養が低い様子を最近テレビで晒し、以来笑い者にされる傾向にあります。文字からは伝わりにくいのですが、②の趣旨は、「ツァリョーフのやつ、やられてやんの(笑)」程度に捉えていただいて結構かと思います。※

③ ドニエツク市の社会組織協会の提案で行われた意識調査では、ドニエツク住民の大多数(65.7%)は一致したウクライナで暮らしたいと答えた。ロシア編入を望んでいるのはわずか18.2%である。
分離独立運動の最前線に立っているはずのドニエツクですらこの状況なので、ウクライナの他の地域ではなおさらウクライナの一致が指示されていることだろう。これでまだ「ひとつの心でロシアを待ち望む東ウクライナ」を語る者がいるとすれば、愚か者か偽善者で卑怯者である。

(byドミトロ・ティムチュック)

 


 

4月8日(火)

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■ 悪かったこと ■

① 分離独立主義者らはロシアの指導者より、国境防衛を解除しロシア部隊がウクライナ領土に入り込むための「通路」を作るようにと指示を受けている。われわれがいただいた情報では、午後9時までルガンシク州で作られることになっている。
これが成功すれば、クリミアの再現になる。ただし、今回は――問題がありつつも――警察・治安機関、国境警備、特殊部隊、軍隊が対抗の用意ができている。彼らに力が与えられますように。

② セパラティストが暴走した。
ルガンシクで乗っ取られた保安庁支部は、爆弾を仕掛けられ中には60名近くの人質が拘束されている。ハリコフでは警察のバスが攻撃された。
テロとしか言いようがない。普段ならテロリストは撃つものだが、この場合は背後に「平和な一般市民だ」とお経のように唱えているロシアがおり、簡単に手出しはできない。
しかしウクライナは、この平和な一般市民の協力でプーチンに食われるか、塀の中に送り込み労働医療法で目覚めてもらうか、この二つしかない。

③腐敗、特に汚職に取り組む国際的NGOトランスペアレンシー・インターナショナルは、ウクライナの新政府に汚職排除には取り組もうという意志がないと主張。
周りを見渡しても、残念ながら否めない事実である。分離独立運動と並んで、汚職はウクライナの大きな問題。即効対応に取りかからなければ、「ウクライナ 改訂版」には価値がない。

■ 良かったこと ■

① 翌日9日は、ノヴォフョードリヴカ町配属の海軍航空隊、A1100部隊の方々とそのご家族がクリミアを出てウクライナ本土に到着する予定。
この人たちは、ヒーローである。裏切り者はほとんど出さず、また3月3日の時点で幹部の自己責任で飛行機を本土に送ったため飛行機の損失もほとんど出していない。個人ファイルなど部隊の書類や部隊の旗も全て持ち出せており、本土に戻っても引き続き仕事を続ける用意はできている。
配属先はムィコラーイフ市になりそうである。

② ウクライナのマスコミでは、「独立したドムバス!」(Домбас независим! Dombas is independent!)と綴った壁の落書きの画像が普及。
「ドンバス」とは現在のドネツク州とルガンシク州に当たる地方名だが、正確な綴りはДонбасс(Donbass:m→n、s→ss)。いくら教養のない人でも、現地の人が大切にしているこの言葉の綴りくらいは知っている。明らかに、現地の人どころかウクライナ人ですらない人が書いた跡で、笑えそうで笑えないロシアン派遣抗議者の証拠。

※ティムチュック氏へのコメントから、2012年から存在していた落書きだったことが発覚。(訳者)※

③ 国際通貨基金の情報では、ウクライナ侵略の結果としてロシアの景気が悪化し続けている。2014年度国内総生産成長率の見通しは1.9%から1.3%に下がり、失業率の上昇も見込まれている。
プーチンがどこまで自国の経済を無視してウクライナに手を出し続けられるかについてはなんとも言えないが、いつかは悟りが開くことを祈りたい。

 


 

4月7日(月)

■ 悪かったこと ■

① 分離独立主義者たちの騒動。東ウクライナ(ドネツク市、ハリコフ市、ルガンシク市)で再び頭を上げ、クレムリンの飼い主を喜ばせている怪獣。
警察は残念ながら、その日のうちに抑え、動揺している者は説得し狂い暴れる者は無害にするという展開に導くことはできなかった。これから3都市のセパラティストたちを取り締まることは更に難しくなるだろう。

② クリミアでは、ロシア軍によってウクライナの少佐が、寮の自分の部屋で射殺された。ロシア側は「酔っ払っていて検問所の無防備なロシア兵を襲ったんだ、自己防衛だ」と喚きだしているが、検問所を守れるほど武装が整った複数の兵に武器を持たないで襲いかる少佐も、寮まで追いかけて「防衛」する兵も、どこの世界の話だろうか。怒りが収まらないものだ。

③ 分離独立主義者を指導して資金を与えているのは、富豪のリナット・アフメトフ(元ヤヌコヴィッチ大統領のスポンサー)と地域党の議会会派リーダのアレクサンダー・イエフレモフとの情報が今日のマスコミで流れた。喜ばしいのは膿の源が明らかになったことよりも、隠さずに話されるようになったことである。下っ端を落ち着かせるにはトップをどうにかすることが一番なのだ。
ちなみにイエフレモフは今日、保安庁支店や州庁舎が集会参加者に乗っ取られたことについて、「人の意志だ。誰かの指導下で行われたなんて考えるのは誤り」と言いだした。保安庁がきょう、ルガンシク州で分離主義者の指導を行っていたロシアの諜報部員を捕まえたにも関わらずである。
私個人的にはウクライナの政治家をまったく信頼していないが、その中でも地域党は特別だ。

④ 7日の晩、セバストポリの入江で8隻の軍艦(主に揚陸艦)がインフォレジストネットワークによって発見された。スタッフの搭乗や軍備が積まれる様子はまだ見られないが、ヘルソン、オデッサ州で海兵隊が上陸する可能性はますます捨てられないと考えられる。

■ 良かったこと ■

① 東ウクライナで行政庁舎が乗っ取られてはいるが、少しずつ一進一退しながらも、改善が見られている。政府から、ハリコフへはアヴァコフ内務相、ドネツクへはヤレーマ第一副首相、ルガンシクへはパルビー国家安全保障・国防会議書記およびナルィヴァイチェンコ保安庁長官が派遣された。また、トルチノフ大統領代行によると、翌日に議会が真っ先に、私が数週間前から唱えてきた、分離独立主義に関する刑事責任の強化法について議決する予定。

② 騒動が最も熱く、州庁舎が乗っ取られロシアに編入する「独立ドネツク共和国」の形成が宣言されたドネツクで、市会議(市の行政機関)がそれを認めなかった。ドネツク議員は、ロシアから送り込まれる「ツーリスト」や小遣い欲しさで動く現地のチンピラが楽しんでいるこのゲームに、地域の住民は興味がないことをはっきり示してくれた。

③ ムィコラーイフ市の分離独立集会のかわいそうな様子には和んだ。30名近くの「抗議者」がムィコラーイフ州庁舎を乗っ取ろうとしていたのか、その前に集まり、しらばく旧ソ連では『三銃士』のモットーとして知られている「All for one, one for all!」(一人は万人のために、万人は一人のために)と勇敢に叫んでいたが、警察の数を見ると「警察と国民は一緒だ!」と言葉を換えた。警察は勇者たちを哀れみ、手出しはしなかった。

※ 各地名は添付マップに合わせてあります。※

 


4月4日(金)

■ 悪かったこと ■

① ヤレーマ第一副首相によると、ウクライナでは2月末から320回の分離主義者のデモが行われ、24万2千人のウクライナ国籍者が参加した。
ロシア国旗をバタバタさせる多くの参加者の動機はお小遣いがもらえることにあるとはいえ、全体として好ましくない数値である。東南ウクライナが困惑しプーチンから救いの御手を求む光景が作り上げられてしまっては、ロシアにとって好都合。

② 議会の地域党会派のリーダー、アレクサンダー・イエフレーモフ氏は、東南ウクライナの地域がヨーロッパ統合を支持しておらず、それに関連するすべての交渉はロシア側が参加した上で行わなければならないと真顔で主張している。
大好きなロシアまでの片道チケットを買って差し上げたい気分である。ヤヌコーヴィッチと並んで人を笑わせてくれるだろう。

③ ウクライナ外務省は、ウクライナ国境付近のロシア軍が「ある程度減少している」ことが確認できたそうだが、残念ながらインフォレジストの情報ではそうは言えない。ここ1週間にわたり軍の数は大して変っていない上に、ロシア・ヴォロネジ州(ウクライナ・ルガンスク州との国境からわずか50キロの距離)で戦車・自動車化狙撃部隊の演習が開始、また昨日からクラスノダール地方(クリミアに一番近いロシアの部分)では防空・空挺部隊の大規模演習が始まっている。
インフォレジストの情報ではなく、「ある程度減少している」との外務省の主張に正しくあってほしいのは言うまでもない。

ウクライナ付近ロシア軍配置マップ、4月4日時点(ピンク色のマークが演習の行われている箇所): http://inforesist.org/karta-vojska-rf-na-granicax-s-ukrainoj-4-aprelya/

■ 良かったこと ■
① ドイツやポーランド代表者による「NATO、拡大の予定なし」との主張を受けてがっかりしているところだったが、きょう、ヴェルシュボウNATO副事務総長は、機構は更なる拡大(ヒント:ウクライナ)を検討すべきであり、それに反対する者(ヒント:ロシア)は力を抜いて見ていればよいと話した。
もちろん、まだまだウクライナのNATO加盟を猛反対するヨーロッパの政治家が複数出てくるだろう。しかし、ロシアをも内部の意見不一致をも恐れず、高レベルでウクライナを応援している官僚がいることは、喜ばしい。

② 4日現在、東南地方ではすでに15名の分離主義者のリーダーが逮捕済みである(ヤレーマ副首相情報)。
多いだろうか、少ないだろうか。15名のリーダーは、ウクライナの崩壊を目指す15の団体を代表する。どれくらい残っているかは保安庁が教えてくれないが、政府では、一進一退しながらもウクライナからの分離を唱える運動は減少に向かっていると言う。
ちなみに、運動の資金は、ヤヌコーヴィッチがウクライナから盗み取ったお金から題していると政府が言う。最後の最後までお金の使い方が卑怯な奴である。

③ 欧州理事会は、欧州人権裁判所が下したウクライナにおける軍事禁止との決断に従うことを、ロシアに求めた。欧州人権裁判所の決断では、ウクライナ・ロシア両国に人権を脅かすような軍事を控えることが求められている。
ウクライナはと軍功に出たがっているわけではないために、どちらかというとロシアに向けられた決断であると考える。後者が国際法に従ってくれることにはさほど期待しないが、ヨーロッパの司法にも指示してもらえるのは良いことである。

(by ドミトロ・ティムチュック)

 


 

4月3日(木)

■ 悪かったこと ■
① NTV放送局(ロシア)は、ロシアで25名のウクライナ人テロリストが保安庁によって逮捕されたと報道した。「テロリストら」はどうやら、一連のロシア地域でテロの準備を進めており、いわゆる「右派」の活動家もいて「ウクライナ保安庁から指示を受けていた」と言う。
「また出た、プーチンTVのデマSP」と笑い飛ばしそうだが、「バンデーロヴェッツ」の次は「テロリスト」(それも、国の指示を受けている)のラベルを貼られそうなので、笑えたことではない。今まではマスコミを中心に広まっていた歪んだ情報を、今度はロシア保安庁ぐるみで流されているので、大規模な危ないゲームに巻き込まれたものだ。ロシアでテロを起こされてそれをウクライナのせいにされてもおかしくない。

② ベラルーシから危なっかしい情報が入る。以前は「ウクライナを攻撃するための手段にはならない」との保証をもらったかと思いきや、ベラルーシのインターネットでは「ウクライナのバンデーラ化」、西ウクライナを訪問したベラルーシ人観光客が多く攻撃され暴力を受けているという噂が、SNSから出発して広まっているそう。
ベラルーシの大きな旅行会社の5社のうち4社はウクライナへのツアーを中止し始めたという情報もあり、またベラルーシ国民のウクライナ人イメージも悪化しっぱなしである。

■ 良かったこと ■
① ウクライナ国防庁がもたもたしている間に、ボランティアの協力でクリミアの軍人とご家族の避難が進められている。たとえば、なかなか出発できなかったシンフェローポリの海兵などが、翌朝に出発できそうだ。
一方で国防庁はというと……各軍基地でのコンサートの準備で大忙し。大切なことではあるだろうが、今のやることとしての優先順位が理解できない。

② 旧政権時の与党、「地域党」では、「3州だけでなく、他の地域の声も聞け」と、各地で騒ぎが起きている。東ウクライナ・ハリコフ州の知事、ドブキンが、大統領選の唯一の地域党代表として立候補すると決まったからである。ドブキンとは、東ウクライナ(主に3州)を代表している親ロシア派、また選挙運動では(ロシア側が要求していて、特定地域の独立かの第一歩となる)ウクライナの連邦化を支持している政治家。普通の地域党員が、連邦化などウクライナにとって良い選択肢でないことが分かっているようで、とてもよいことだ。

③ GfK Ukraineが国民意識調査を行ったところ、2月の政権交代を指示した者は半分程度(48%)、また34%の回答者は反対していた。完全一致が見られているわけではないが、これからが頑張りどころである。人の命が犠牲にされているのだから、無駄にしてはならない。

(byドミトロ・ティムチュック)

※訳者コメント

■ バンデーロウェッツ(「バンデーラやろう」を修正)、「バンデーラ化」とは

簡単にいえば、「ウクライナ人最高、他の民族はくたばったって構わん」という思考をもつ人、そしてその普及を意味するラベル。以降、前日より再掲。

「バンデーロヴェッツ」とは、第二次世界大戦の時期に西ウクライナで民族解放運動のリーダ、ステパン・バンデーラの名前から取った名称。ロシアではソ連崩壊以前から「過激ウクライナ人」の総称として使われており、「暴力に訴える犯罪者で、激しいロシア人嫌い、ファシスト(ナチス)と変わらないウクライナ人超越主義者」のイメージを植え付けている。「チェチェンのテロリスト」と並んで、敵視される言葉である。

 


 

4月2日(水)

■ 悪かったこと ■

① NATO欧州連合軍最高司令官、フィリップ・ブリードラブ大将は露ウ国境における状況を懸念しており、ロシア軍は用意ができており3~5日間で目標達成できそうであると主張。
考えられる攻撃シナリオはさまざまだが、いずれにせよ、ロシアから攻撃される脅威は軽減されてはいないという我らの心配は、ブリュッセルでも同じであるよう。

② ロシア、また一部のウクライナマスコミでは新たなデマが普及。オデッサ配置のウクライナ軍艦ヘトマン・サハイダチヌィ号が、いきなりオデッサを出港してロシア国旗を掲げ、て 無線通信に応じなくなりクリミアに向かった、という内容。
マスコミから問い合わせが殺到したため直接連絡をとったところ、異状なしとのこと。
情報の真偽を見極めるためにかなりの神経を使わされる今日、ばからしいねつ造に振り回されるのは極めて不愉快である。

③ 5日前からウクライナのマスコミが報道したことだが、フィオレント岬に位置する地対空ミサイル基地にて、ロシア軍がウクライナの契約兵を病院送りにした。きょう明らかになったが、ロシア軍は複数名で喜んで殴ったり蹴ったり、首に縄を絞めたりしていた。その結果頭蓋骨骨折のほか、片目を失明するおそれが。

■ 良かったこと ■

① 元大統領による茶番には笑えた[先日の記者会見のこと]。東ウクライナをファシストらに追われて、ロシアへ蹴り飛ばされたといったような発言はもはやギャグにしか聞こえない。ロシアが自分の行動の言い訳に使おうとしてきたヤヌコーヴィッチ氏は、使い物にならなくなった。徹底的な洗脳を受けている人から見ても、それが明らかなはず。

② 欧州議会は、ウクライナにおけるロシア語話者の権利が十分守られていることを事実として認めた。当然のことではあるが、プーチンからの言語関連文句を交わすための根拠となる。

③ 今日で、クリミアから1000人以上のウクライナ軍人とその家族が、ウクライナの大陸部分に避難してきた。占領地域を逃れる手伝いをしてくださった全ての人に深く感謝したい。

(by ドミトロ・ティムチュック)

■ おまけ(「悪かったこと」③背景)
ウクライナ兵に暴行を加えたロシア兵は、「バンデーラロヴェッツ」「チェチェンのテロリストめ」と言いながら殴っていたらしい。「バンデーロヴェッツ」とは、第二次世界大戦の時期に西ウクライナで民族解放運動のリーダ、ステパン・バンデーラの名前から取った名称。ロシアではソ連崩壊以前から「過激ウクライナ人」の総称として使われており、「暴力に訴える犯罪者で、激しいロシア人嫌い、ファシスト(ナチス)と変わらないウクライナ人至上主義者」のイメージを植え付けている。「チェチェンのテロリスト」と並んで、敵視される言葉である。
皮肉なことに、暴行を受けたウクライナ兵は、在ウ・ドイツ人であった。ロシアに逆らおうものならみな「真のウク人、バンデーロヴェッツ」にされてしまうよう。

 

 

 

 

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