【情報レジスト・要約版】 7月14日(月)のまとめ

10173325_481968728598454_1124228004_n原文はこちら:フェイスブック情報レジストHP。7月11日の分はこちら

和文: O.P.
よりわかりやすくするために、意訳を中心にし、主に「評価」を担う内容と、広い文脈理解を要する内容は一部省略しました。(文ごとの省略は[…]で表示。)

※ 3月10日からウクライナで活動しているボランティア情報局、「情報レジスト」(”情報で抗議する”)リーダが発信しているその日の記録を和訳したものである。※ ======================================

■ 悪かったこと ■

(1) 本日、敵はウクライナ軍のAn-26航空機を撃墜した。一部の搭乗員の安否は不明だが、無事であることを祈ろう。現時点でわかっているのは、2名の操縦士が武装集団に捕えられたことである。国防省が、彼らの解放に向けて全力を尽くすことだろう。

航空機が撃墜された高さは6500メートルと、テロリストらの手元にある携帯式防空ミサイルシステムでは届かない高さだった。それを根拠に国家安保国防会議では、撃墜はロシアの戦闘機、もしくはロシア領土内にある地対空ミサイルシステムによってなされたのではと推定している。

ロシア軍がもはや隠れもせずテロリストらを支援し、ご親切に兵器車両などの差し入れを国境の向こうへ運んでいる現状を考えると、この推定は充分妥当であると言える。[…]

 

(2) NATOは改めて、ウクライナ国境から軍を撤退するようにロシアに呼び掛けた。一方で、NATO加盟国である特定の欧州国のリーダーは未だ、「ロシアの仲介で当事者の会談」や「平和的解決」が必要と語っているのである。

理解できなくはない。太っ腹なガスプロム社が根回ししていれば、損得で考えるのも無理がないのだ。自らの領土やその周りの安全よりも、ご自身の老後を考えていらっしゃるのも、一目瞭然である。

(3) 改めて「ロシア軍事介入」を巡る騒ぎについて。14日の朝筆者が述べた考えを、マスコミが「ロシア、15日から侵入する」といった形で広めたので、一度は別途コメントしたが※コメント原文はこちら、ここでも言わせていただく。

明日からロシアが、いかにも本格的な戦争を始めそうであるかのように伝わってしまったようだが、今までの4カ月にわたりなされてきたものとは違う形で対ウクライナ戦争が始まるなどとは言っていない。あくまでも、ロシアの特殊部隊隊長が、15日からウクライナへ侵入できるように備えよと、命令が出ていたまでのことである。これは既に、ロシアの破壊偵察隊がドンバスを自由に散策していた4月の時点で経験していることである。

我々「情報レジスト」グループは、ロシアが本格的なウクライナ侵入の用意ができているとは考えていない。国境付近でロシア軍が増えているとはいえ、本格的な侵入をなしうるような、完成した戦術団は見られない。平和維持隊を装った侵入の可能性はあるが、それも次善策でしかないだろう。今のクレムリンの最優先課題は、ドンバスでの状況を最大限に不安定にし、この紛争を本格的な内戦にすることである。

これに対抗する手段はただ一つ、テロリスト集団の国境アクセスを徹底的に塞ぎ、効果的に反テロ作戦を進めることしかない。つまり、反テロ作戦軍が今まさにしていることである。その努力は成功に繋がることは疑わないが、ロシアが隠れた対ウクライナ侵略の規模を拡大しようとしていること自体は、非常に良くない。

 

■ 良かったこと ■

(1) ポロシェンコ大統領は、治安機関との会議において、反テロ作戦の戦術を変更する必要があると述べた。主な課題は、反テロ作戦の実施地帯を狭め、国境防衛を強化し、民間人を守るために全力を尽くすことであるとした。

異論はない。後は、各課題を現実にすることである。

(2) 反テロ作戦軍は活発な攻撃を続けている。13日から14日にかけて、ルガンスク州の一連の市町村からテロリストが排除された。

ここで言っておかなければならないが、戦闘地帯は相変わらず極めて緊迫した状況にある。武装勢力は反テロ作戦軍に自らのやり方を押しつけようとしており、領土の解放は多くの困難を伴う。しかし、我らは勝利に向かっている――その勝利が望むより遅かったとしても。

(3) ※読みやすさと事実関係を考慮し、趣旨を保ちながら、訳者が解説を付けて書き換えた。※

ウクライナ・マスコミは、ロシアによるウクライナ侵略に関する立場に一貫性がないこと、また異様に親プーチンであることから、少なくとも6月からネット上「フラウ・リッベントロップ」(リッベントロップ婦人)と呼ばれることが多くなった。これは、第二次世界大戦に先だったモロトフ=リッベントロップ協定(独ソ不可侵条約)という、表向きには不可侵条約でありながら、裏では独ソがヨーロッパにおける両国間の勢力範囲を決める文書を思い起こさせる呼び名である。)

独ソ不可侵条約と言えば、ヨーロッパ諸国の中で特にポーランドがウクライナを応援してくれているが、それもそうだろう。なぜなら、条約締結の数日後にはドイツがポーランドに踏み込み、ベルリンとモスクワがポーランドを「山分け」したことを、ポーランド人が今でも覚えているのである。今回のベルリンは侵略側ではなく、黙認している観察側に回っているが、出来事の本質は第二次世界大戦直前時となんら変わらない。

とはいえ、メルケル首相がヨーロッパでも「フラウ・リッベントロップ」と呼ばれているのであれば、ヨーロッパにも歴史の教訓を真剣に受け止めている人もまだまだいる、ということになる。

 

(原文: ドミトロ・ティムチュック)

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「情報レジスト」のアーカイブ(4月2日~17日)はこちら。(Архив переводов ИС со 2-го апреля)
「ウクライナ情勢ーーよくある質問(ウクライナ人の視点で)」はこちら。(Мини-ликбез)
在日ウクライナ大使館、報道センター(声明およびコメント)HPはこちら。(Прес-центр посольства України в Японії)
在日ウクライナ大使館、フェイスブックを始めました。(Сторінка посольства України у Фейсбук)

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