原文はこちら:フェイスブック・情報レジストHP。
7月8日の分はこちら。(7月9日は、ティムチュック氏の都合で掲載がなかった。)
和文: O.P.
※ 3月10日からウクライナで活動しているボランティア情報局、「情報レジスト」(”情報で抗議する”)リーダが発信しているその日の記録を和訳したものである。※ ======================================
■ 悪かったこと ■
(1) 「情報レジスト」は前日[9日]、ロシアが対ウクライナ国境近郊へロシア軍の戦術大隊を二つ移動させたところを発見。今日[10日]は、国家安保国防会議がロシア軍の更なる国境への集結を確認した。
プーチンがようやくウクライナ侵入へ踏み出す決心をしたとは思わない。こんなことはもう、経験済み。ウクライナの東部における混乱を最大限に煽り、そして今度は反テロ作戦軍から逃げるテロリストらにエールを送るつもりで、クレムリンがハッタリをかけているだけだろう。
この種の挑発行為がドンバスの武装者にとって助けになるとは思えないが、いずれにせよ、プーチンのこのような行動が快くはない。武器を持った変わり者を相手にしていると、とても油断ができないのである。
(2) 本日、「ドルジャンスキー」検問所近郊で、治安部隊の歩兵戦闘車がまた地雷に当たり爆破。再び、ウクライナの男たちが命を落とした。
ロシアの傭兵が何千個の地雷をウクライナに持ち込んだのかはわからない。わかっているのは、彼らがルガンスク、ドネツク両州を新たなカンボジア、死の欠片が詰まった土地にしようとしていること。
ドンバス危機が終わり、「ロシアの世界」を夢見て武器を手に取った者らのお墓がコケを生やした後も、彼らが残す足跡を取り除くために、我らには膨大な努力が求められる。
(3) 足跡の話をもう一つ。治安部隊の報告によると、テロリストらが排除された市町村は、治安が危ぶまれる状況に陥っている。大量の武器や弾薬[が地元住民の手に渡り]、それを見つけ没収するのは至難の業。
ここは、内務省の出番である。これらの地域になるべく早く安定した平和な生活を取り戻すには、警察・検察が極めて効果的に動く必要がある。しかしこの地域の警察・検察は、あらゆる問題を抱えているのである[汚職・任務怠慢・武装集団への協力していた、など]。
■ 良かったこと ■
(1) 反テロ作戦地帯では、治安部隊の計画ローテーションが実施されるほか、追加部隊も到着している。
非常にタイミングが良い。テロリストらが集結している場所を封鎖するためには、人材が要る。解放された領域を管理する人材も同様。スラビャンスク市では既に、ソーセージを餌にテロリストの一本釣りに成功しているが、ドンバスで後どれくらいのテロリストを捕えなければならないかは、神のみぞ知る。
[※「ソーセージ」については7月7日「良かったこと」の2をご参照※]
(2) テロリストらは、「航空隊」を手に入れたと、ネット中が騒ぎになった。なんでも、武装集団がドネツク市近郊モスピノ村の飛行場へ解体した航空機をトレーラーで運んだとか。
「情報レジスト」にもその情報が入った。何事だろうと驚き、調べてみた。
テロリストらの手元に航空機があるのは事実である。ただしそれは、武装集団が航空技術博物館から盗んだ模型なのだ。武装集団は早速、操縦士の募集を公言した。必要なのは博物館の見張り人なのに。
親ロシアテロリストの盗癖には呆れる。飼い主にそっくりである。飼い主が盗んだのは半島と、スケールが違うが。
[※以下イヤミのみのため割愛※]
(3) EUは、ウクライナ危機に携わったとして個人制裁(資産凍結やEU加盟国の入国禁止)の対象となる人物のリストに、更に11名のロシア人を追加した。ロシア外務省はすかさず、ロシア・EU間関係に影響をもたらす非公有的行動であると悲鳴を上げた。
それはさておき、7月15、16日には対ロシア追加制裁に関するEUサミットが開催される。
我々「情報レジスト」のコーディネーターらは本日、ウクライナでEU組織を代表する人物に会った。1時間半にわたる面会の結果わかったことは、ヨーロッパではロシアが秘めている危険性を理解している者と、プーチンのロビイストの間に静かな対立が続いていること。無論、プーチンの陳情者に勝ち目がないとは言えない。しかし、ヨーロッパには我らを心から応援している者も少なくないようである。とても心強い。
(原文: ドミトロ・ティムチュック)
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