原文はこちら:フェイスブック・情報レジストHP。
7月7日の分はこちら。
和文: O.P.
※ 3月10日からウクライナで活動しているボランティア情報局、「情報レジスト」(”情報で抗議する”)リーダが発信しているその日の記録を和訳したものである。※ ======================================
■ 悪かったこと ■
(1) 保安庁は、[ドネツク州の西にある]ザポリージャ州にて鉄道の線路を爆破しようと動いていた破壊集団の5人を逮捕した。逮捕された5名は、ロシア・ロストフ州の軍事研修キャンプにて爆破の訓練を受けているという。
親ロシア武装集団がウクライナ国民に対して布告した「地雷によるテロ戦」は、ドンバスを覆い、今度はその外にはみ出そうとしている。
[※皮肉→] 我々がその連中を抑えウクライナから追い出しきった後に、連中がいわば「生まれ故郷」のロストフに戻り、そこでその悪質な趣味を楽しんでくれることを祈る。モスクワ近郊まで足を延ばしてもらえると、なお良い。
(2) ルガンスク州のテロリストらは、季節の移り変わりの影響だろうか、またわけのわからないことを言っている。なんでも、占拠している全領域にわたり住民の定期預金封鎖を検討しているという。「お金が入ったら、利子つきで返すから」ということで。[※ロシアの政治家兼「ルガンスク人民共和国大臣会議」バシロフ議長代行談※]
まともそうなこの発言は、ルガンスク州住民に対する嫌がらせにしか見えない。想像していただきたい――夜道で機関銃を持った何者かに止められ、すべてのお金を取り上げられた後、「預金封鎖だ、兄さん。軌道に乗ったら、利子つきで返してやるよ」と言われるようなものである。
強盗犯や強姦犯の口から出るこのような言葉は、ブラックジョークだろう。悲しすぎて笑えないのだが。
■ 良かったこと ■
(1) 国家安全保障・国防会議の計算によると、反テロ作戦開始以来、テロリストらが管理している領土は、以前の半分に狭まった。
筆者が思うに、これは喜ばしい報告であると同時に、慎重な報告でもある。なぜなら、武装集団には残りの半分をも網羅して管理するだけの勢力とリソースがないからである。
テロリストらを囲ったウクライナ軍の包囲網が狭まりつつある。問題は、その包囲網にもやはり隙があること――武装集団は未だ、[武器や人材を提供している]大いなる母ロシアの国境に直接アクセス出来ている。母船ロシアとのへその緒が切れ、包囲網が全うされたら、勝利まではあと少しとなるだろう。
(2) ポロシェンコ大統領は、[反テロ作戦が進むにつれて武装集団が集結した]ドネツク市において航空隊や砲兵隊を使わないことを約束した。ロシアが北コーカサスなどで愛用する「焼け野原メソッド」は、ウクライナには適さないのである。
ちなみに、安保国防会議がドネツクやルガンスクの封鎖を予定していると主張したが、それがマスコミ(特に欧米)において騒ぎを引き起こした。[民間人も巻き込んだ]包囲戦を連想してしまうようである。
しかし、両都市を「レニングラードの包囲戦」状態にする予定などない。「封鎖」とは、都市内に傭兵や兵器の流入を妨げるまでのことである。このように、(国境を完全に封鎖した上で)主な「テロ温床」を封鎖でもしなければ、反テロ作戦が終わることなどないのである。
(3) 欧州連合外務・安全保障政策上級代表[キャサリン・アシュトン]の報道官は本日、その国境内において領土保全および治安を守ることは、ウクライナの権利であり義務であると主張した。
これは、ウクライナ東部におけるウクライナ軍の武力行動に対しEUが厳しく応えるべきといった、ロシア外務省の主張に対してEUがした答えである。
筆者は、ヨーロッパの政治家を聞くたびに複雑な気持ちになる。プーチンの肩を持ったかと思えば、今度は良心が目覚めたのかウクライナを応援している。正直なところ、その発言を批判しては褒めたたえることに、疲れてきた。どこにつくか、はっきり決めていただきたいものである。とはいえ、今日のEUの答えにはもちろん、感謝を言う。
(原文: ドミトロ・ティムチュック)
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