原文はこちら:フェイスブック・情報レジストHP。
7月4日の分はこちら。
和文: S.J.
※ 3月10日からウクライナで活動しているボランティア情報局、「情報レジスト」(”情報で抗議する”)リーダが発信しているその日の記録を和訳したものである。※ ======================================
■ 悪かったこと ■
(1) 本日,ノヴォバフムトフカ近郊において,スラヴャンスク・ドネツク・マリウポリ幹線道路の上を走る鉄道橋が爆破された。爆破されたのは,貨物車が橋を通過している時であった。
更に付け加えると,国家安全保障・国防会議の情報によれば,この1日だけで工兵がスラヴャンスクで処理した地雷の数は700にも上る。
武装勢力のネズミ共は,撤退しながら,数多くのフンを記念に残して行った。たとえ,スラヴャンスクのような自分達の「巣」を完全に明け渡すことになって も,嫌がらせは止めない。彼らは,スラヴャンスクからドネツクに至る道路を反テロ作戦軍の攻撃をかいくぐって逃走したが,その道路沿いに転がる肉塊を見 て,我々は不憫に思うべきであろうか。答えが分かり切った問いである。

Man walking past the destroyed railroad bridge which fell over a main road leading to Donetsk, near the village of Novobakhmutivka. REUTERS/Maxim Zmeyev
(2) ルガンスク地区の戦闘員は,ウクライナ国旗を掲げた装甲車を積極的に使用している。住民の家屋に向けて射撃を行っているのである。何故そのようなことをするのかは分かり切っている。ここで極めて重要なのは,地域住民に対する説明作業である。
この作業は未来に照準をあてるものである。ウクライナ東部住民の考えと気持ちを勝ち取るための闘いはようやく開始されたばかりである。
今 やプーチンは,クレムリンの傭兵による暴力と殺人によって「ロシアの世界」が持つ真の顔をドンバス住民に見せつけた。しかし,ドンバスをこの卑劣な行為 から救ったとしても,我々が戦争に勝ったことにはならない。完全な勝利は,マケエフカのような田舎の配管工の親父までが,外国の独裁者の甘い汁を羨むので はなく,自由な国を自らの手で建国するほうが良いと理解した時に訪れる。
(3) プーチンの掛け声であくせくしている一部の欧州の動きには相変わらず驚かされる。本日,シュタインマイヤー独外相は,ウクライナ,ロシア及びOSCE のコンタクト・グループに対し,分離主義者との交渉を開始するようしつこく「促した」。軍事手段では何ら解決できないとのことである。
シュタインマイヤー外相が安いシュナプスをがぶ飲みしたかのような妄言を述べる目的が自分には理解出来ない。ドンバスのテロリストと交渉を行うことは意味 がないことは誰の目にも明らかで,既に苦い経験もある。それに,軍事手段によってこそ問題がうまく解決されていることも明らかである。
単にまた欧州の小役人がクレムリンの笛の音に合わせて古い歌を唄い始めたのである。正直,うんざりである。
■ 良かったこと ■
(1) 解放された都市では,住民が反テロ作戦軍を歓迎したが,これは演技ではなく本当に喜んでいた。その理由は明らかで,「ドネツク人民共和国」や「ルハンスク人民共和国」等の「義勇兵」と自ら名乗る殺人者と傭兵による際限なき暴挙に誰もがうんざりしていたのである。
しかし,軍兵士は血にまみれたプーチン体制からの解放をもたらすだけではない。その優先課題は,平和な生活の回復である。人道援助は,最初に提供されるものである。
スラヴャンスクで,テロリスト2名が地元住民のふりをして,ソーセージの配給を期待して援助の列に並んだのは見ものであった。なにせ、地元の人がそれを暴いたのである。
隠れている戦闘員を見つけ出すには,地元住民の助けを借りる他,もう1つ重要な要素があるものと考える。戦闘員は,ウクライナ軍兵士から配給された食糧を食べながらも,「忘れない・許さない」といった言葉を発してしまうのである。それで見つかってしまうのである。
※写真:(左から)ウクライナ軍がスラビャンスクで支援物資を配布――ソーセージを受け取る列に並んでいた2名のテロリスト(ロシアのパスポート所有者)を、ウクライナ軍が逮捕――連行中――容疑者が持参していたロシアのパスポート※
(2) ウクライナ保安庁は,ウクライナで活動するロシア系銀行に対する問題はもうないとしている。ナリヴァイチェンコ・ウクライナ保安庁長官によれば,銀行は,同庁要請に応じ,テロリストへの資金援助に使われる口座を直ぐに閉鎖している由である。
これは非常に良いことである。これによって,ウクライナ保安庁については,反テロ作戦の他の分野に関する小さな疑問がいくつか残るだけとなった。例えば, 作戦の指揮を事実上,軍関係者が執り,ウクライナ保安庁の関係者が作戦本部から遠ざけられた直後から,反テロ作戦本部からテロリストに対する情報の流出が 急減したのは何故か。作戦の成功率は急上昇したのである。
但し,反テロ作戦本部で担当から外されたウクライナ保安庁の「戦略担当官」がこれでおとなしくなった訳ではない。我々の情報によれば,同人は未だに作戦の 「人事政策」を積極的に指揮しており,他省庁に対し,反テロ作戦本部に誰を派遣すべきかとの指示を書いた書簡を送っている。これもまた奇妙な話ではある。
ナリヴァイチェンコ長官がこの奇妙な事情の調査を,ロシア系銀行への対応と同じように,うまく進めてくれるものと期待しよう。
(3) 著名な米国人ボクサーであるマイク・タイソンがウクライナに対する支持を表明した。ニューヨークで開催されたタイソン自身に関する映画の発表会で,マイクは,レッド・カーペットを歩きながら,ロシア人記者に対し,「ウクライナから出て行け!」と大声で発言した。
支持しくてくれたマイクについては,ホリフィールドの耳噛み事件だけではなく,その他諸々も含めて許してあげよう。ニューヨークのレッド・カーペットには良い人もいるものだ。
写真:(下) タイソンとヴラジーミル・クリチコ(ウクライナのボクサー、政治家、2014年5月からキエフ市長)
Tyson and Klitschko. Photo: http://www.belsat.eu/en/wiadomosci/a,20753
(原文: ドミトロ・ティムチュック)
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