原文はこちら:フェイスブック・情報レジストHP。
6月20日の分はこちら。
和文: O.P.
※ 3月10日からウクライナで活動しているボランティア情報局、「情報レジスト」(”情報で抗議する”)リーダが発信しているその日の記録を和訳したものである。※ ======================================
■ 悪かったこと ■
(1) ロシアとの国境が閉鎖されているとの政府側の主張に関してはコメントを控えようと考えていたが、問い合わせがあまりにも多いために言及することとする。
我々「情報レジスト」グループは残念ながら、国が国境の管理に関して示している安心感の根拠は見出せていない。安全保障・国防会議が報告した「砲撃管理」も、何も。
(※「砲撃管理」=国境を越えようとした武装集団や兵器車両を全て、ウクライナ軍側から砲撃により止める用意ができている体勢※)
(2) 「アイダル」志願兵大隊を巡る状況が相変わらず嘆かわしい。本日「アイダル」大隊がした報告によると、同大隊が反テロ作戦領域から撤退するよう命じられ、今後解散の対象となる。
大隊の解散について国防省にて確認したところ、そのような情報を裏付ける人物は見つからなかった。しかし、そこが問題なのではない。事実上、志願兵大隊が国家組織と対立させられている。そしてこれは、双方にとって非常にネガティブなことである。
「アイダル」大隊、またルハンスク市付近で「アイダル」が参戦した衝突のストーリーが語るのは、義勇と悲劇である。ルハンスク付近では「アイダル」の志願兵も、ウクライナ軍の兵も命を落とした。共通の悲しみに直面するときは――共通の課題に取り組んでいるときには特に――対立するのではなく、心や力を合わせるときではないだろうか。
「アイダル」の志願兵らにも、軍事幹部の方々にも、お互い言いたいことがあるだろう。しかし言い合う形は、相互批判ではなく、具体的な反省点と今後の協力に向けた決断にたどり着くための建設的な議論でなければならない。非公開議論であっても良いが、軍事専門家の力を借りたものであってほしい。志願兵大隊から反テロ作戦の取りまとめ方に対する批判にせよ、反テロ作戦幹部から志願兵らの行動に対する批判にせよ、合意のためには話し合うべきではないだろうか。
(※「アイダル」大隊のルハンスク衝突については、6月18日の「悪かったこと」の(1)をご参照※)
■ 良かったこと ■
(1) 本日、イギリス・W.ヘイグ外相の口を通して、EUの立場が明らかにされた。ドンバスにおける停戦が終わるまで(つまり、6月27日まで)、しかるべき結論を出し、テロリストらの支援を辞めなければ、更なる制裁措置が発すると言うものである。
3月末から約束され続けている追加制裁が本当に発するかは大いに疑問だが、強い意志を感じられる。
ただし、その意志の強さは、ガスプロムが一部のヨーロッパの政治家や官僚に贈るお土産金が増えるにつれて減っていくのではと、心配である。
(2) 23日の終わりには、テロリストらが27日まで砲撃を止めると約束したことが明らかになった。
それが本当に実現するとしたら(信じがたいことであるが)、原因は追加制裁に対するロシアの恐れのみだろう。武装集団が平和を望んでのことでは決してない。停戦が公言されてからの3日間、砲撃を止めなかった彼らの望みは充分見させていただいたのである。
とはいえ、砲撃の一時停止はせめての息休めにはなる。また、もしポロシェンコ大統領が、ウクライナの国益を諦めることなく本当にドンバスに平和を取り戻せるのなら、誉れあれやとしか言えない。
(3) 「ドネツク人民共和国」は、プーチン大統領がなかなかロシアに編入させてくれないことを嘆いた。
「在モスクワ・ドネツク人民共和国代行機関の報道官」などと名乗るD.ミチナ氏が本日、テロリストらがクレムリンに向ける要請に対して応えてもらえずにいることと零した。
この笑い者らがどうやら、大砲の餌食でしかない自分たちの役割――モスクワがそれを必要とする限り死んでいく役割を――まだわかっていないようだ。グローバルな課題についての彼らの意見など、聞かれることはない。早ければ早いほど、自覚した方が良いだろう。
(原文: ドミトロ・ティムチュック)
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