【情報レジスト】 5月6日(火)のまとめ――要約・解説

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原文はこちら。(byドミトロ・ティムチュック)
5月5日の分はこちら

 

※ 3月10日からウクライナで活動しているボランティア情報局、「情報レジスト」(”情報で抗議する”)リーダが発信しているその日の記録を、要約し一部解説を加えたものです。※

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※ 誤字脱字・不自然な日本語など、申し訳ありません。

■ 悪かったこと ■

(1)  保安庁長ナリヴァイチェンコ氏は 、ドンバス(※)が不安定なのは住民がロシアの反ウクライナ・プロパガンダによる影響が強く、保安庁・内務省・国防省を信頼していないためであると述べた。

それは事実である。しかし、それなら、ウクライナ国家はここ2か月の間、ロシアの強力なプロパガンダマシンに対抗するために何をしたのだろうか。逆プロパガンダはどうなっているのか。対テロ作戦本部が情報政策を行っているだろうか。安全保障・国防会議が形成したはずの情報戦調整組織はどうしたのか。質問は絶えないが、答えは聞こえてこないのだ。

行政機関にも、一般市民の中にも、ウクライナのために自発的に情報戦に取り組んでいる人がいるだろう。素晴らしいと思う。ただ、これはやはり、国が国家レベルのリソースを使い行うべきことである。

東部住民の頭の中が誤解に染まったままでは、実際の戦争を効果的にすることはあり得ないのだ。

(2) コーヴァリ国防相は、政府がドンバスの一般市民を戦争に巻き込まないとしているために、対テロ作戦がなかなか勢いを増せないと述べた。

賛成せざるを得ない。一般市民をまでせん滅するのはいただけない。

しかし、それなら、せめてテロリストに攻撃されたときに急所を狙う射撃を公式的に許してほしい。現時点では、各地の対テロ部隊が武器を使おうものなら政府が眉間にシワを寄せ、戦闘のたびに自己責任で撃つ撃たないの指令を出すことになっている。

(3) ラブロフ外務省(露)によると、親ロシア派代表の参加がなければ、ロシアはウクライナとの交渉に応じる意味が見出せない。ロシアの操り人形を国際舞台に登場させようというのである。

ロシアに相談に乗ってもらうといいかもしれない。紛争解決の経験を――たとえば、コーカサスでロシアが実行してきたもの――分かち合ってもらうとよい。

ただ、百人単位に上る一般市民の死亡者や町村ごとのせん滅まみれのその実績一覧には、「交渉により解決」が見つからない気がしてならない。

※ ドンバス=トネツク・ルガンスク州を合わせた地域名

(1)、(2) 関連記事(ウクライナ発信、ロシア語)

(3) 関連記事(ウクライナ発信、ロシア語)

 

■ 良かったこと ■

(1) ウクライナ議会がトルチノフ大統領代行に、対テロ作戦用に治安機関と国防機関の調整する人物を任命するように勧めた。

確かに、コーディネートは対テロ作戦の弱点であり、迅速な解決を要する。

ただ、別途官僚を任命する必要性は明らかでない。今の対テロ作戦責任者が担うべきこの義務を果たせないのだろうか。余計に仲介者を挟むことで作戦の調整がよりややこしくなるだけなのではと、心配である。

後は、結果を見せていただくまでである。解決を要する問題が確認されたことがせめての救いである。

(2) チェボターリ副外務相は、5月2日オデッサで起きた出来事について記者会見をした。

オデッサ州内務省総長と3名の副総長がポストを外され、両方から衝突に関わった人物を160名逮捕。また、これからオデッサでは黒マスクをかぶる者は逮捕されるようになる。一部の警察官は勤務怠慢で解雇。

是非東部でも実行してほしい試みである。「情報レジスト」の情報では、地方の各地で占拠されていたと思われている内務省局ビルは、占拠されていたというより、各局長らによってお金と引き換えに「手渡されていた」。取引のスタート値は10万ドルからだったという。

今のアヴァコフ内務相が全国から批判を浴びており、筆者も批判者の一人であるが、この、「警察の除染作業」がきちんと広がっていけば、大いに感謝して真っ先に脱帽する。

(3) マイダン(※)の自警団のすべてが、これから内務省の管轄下に入り行動する。これは、安全保障・国防会議パルビー議長と各自警団の百人隊長との会議で決定されたことである。

ジュネーブ会合にて決まった「非合法的な武装集団の排除義務」を守っていないということでウクライナに文句を言い続けてきたロシアに対して、よい応えになる。(コメント: ジュネーブ会合ではロシアが人材・金銭的に支援している親ロシア過激集団の武器排除に関する項目として決まったことだが、ロシアはすかさず「ウクライナの『右翼セクター』などの親ウクライナ自警団のことだろう」と拒否している。)

今度はプーチンの番である。期待はしていないが、クレムリンがその招待を晒し、これからどのような言い訳を見せてくれるのか、楽しみである。

※ マイダン=出発点キエフの「独立広場」(マイダン・ネザリェージノスチ)から取った、2013年11月末~2014年2月末の反政府抗議の総称。

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「情報レジスト」のアーカイブ(4月2日~17日)はこちら。(Архив переводов ИС со 2-го апреля)
「ウクライナ情勢ーーよくある質問(ウクライナ人の視点で)」はこちら。(Мини-ликбез)

 

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