原文はこちら:フェイスブック・情報レジストHP。
6月18日の分はこちら。
和文: O.P.
※ 3月10日からウクライナで活動しているボランティア情報局、「情報レジスト」(”情報で抗議する”)リーダが発信しているその日の記録を和訳したものである。※ ======================================
■ 悪かったこと ■
(1) ロシアはもはや、ウクライナ国境へ軍を転進させていることを隠さなくなった。
ロシア国防省は、NATOが活性化しているとし、「それを受けた」軍事演習の一環としてウクライナと接するロストフ・ベルゴロド両州への軍集結を始めたと言い張っている。
クレムリンはその傭兵の手でドンバスを血の海に沈めるだけでは止まらないよう。加えて、軍事介入をちらつかせ精神攻撃をしないと気が済まないのである。
(2) 親ロシア武装集団の管理下にある「ドルジャンスキー」国境検問所を通して、武器や義勇兵が侵入し続けている。本日は新たな兵器車両縦列が入国し、そのうち少なくとも3台のグラード多連装ロケット・ランチャーが確認されている。
この状況にもかかわらず、同日ロシアのショイグ国防相は「ロシア国防省はドネツク・ルガンスク共和国への援助を与える予定があるか」と聞かれたところ、「その予定はない」と答えていた。
ご主人様のプーチンと並んで、嘘にまみれた野郎である。
嘘つきと言えば、ロシア議会もまた金箔付き悪玉の集まりである。本日、ロシア議会V.ヴォドラツキー議員(※「コサック」軍の司令官※)は、ロシアからウクライナに派遣されているコサックの人数を追跡していないと述べた。なんでも、ドネツク・ルガンスク両州は本来、ソ連時代にウクライナに非合法的に「占領」された土地であり、それを取り戻す時が来たからとした。
(3) 志願兵大隊が新たに怪しげな状況に陥っている。今度はキエフ市第十二地域防衛大隊の番である。他のケースと同じく、弾薬、装備、防弾ベスト、ヘルメットが不足している。
この問題には、国防省が取り組むべきである。それも、早急な解決が必要。
しかしここは、「地域」大隊と名付けられている以上、地域大隊の準備には地域自治体もある程度関わる義務がある。にもかかわらず、ウクライナで地域行政機関が何らかの関わりを見せている州などほんの僅か。
ここで知りたいのだが、なぜそれを問いただす者がいないのか。なぜ苦情を申し立てる者がいないのか。地域行政が見かけだけでも関わっていれば、多くの問題を防げたはずである。
■ 良かったこと ■
(1) ウクライナ軍および国民衛兵(内務省軍)が、クラスヌィ・リマン市付近にあるヤンポリ町とキロフスク町からテロリストを排除した。また、ドネツ川の橋も政権の管理下に取り戻された。
このように、ようやく(何週間もぶりに)スラビャンスク市が完全に包囲されたのである。
多くの小さな勝利から大きな勝利が生まれるのだ。
(2) ラーダ最高議会は、大統領選挙の余分な資金を全てウクライナ軍に譲ることにした(大統領選が一回で済んだことで、6億フリブニャ(約52億円)が余ったのである)。
大いに結構。
ただし、である。同日、議会では軍隊の後援を務める軍後方部の非公開報告会が行われ、軍隊向けに分配された予備予算(および国民からの寄付金)があるにもかかわらず軍隊の必要が全く満たされていない背景が話し合われた。
憤慨を禁じえない状況である。国防省の口座は入金済み、反テロ作戦に向けて必要な装備の購入手続きが簡略化されている。にもかかわらず、軍後方部は理由もなくもたもたしている。
結局のところ、納得ができる説明はなされなかった。「手が足りない」「生産が間に合わない」などのような言い訳には、説得力がないように思う。
軍関係者でありながら、一人の命を守れる防弾ベスト一着も以下に重いのか、わかっていらっしゃらない模様。ここは、各関係者の個人責任を(それも、至急!)問わなければならない。
この分野を統括している議員グループには、「情報レジスト」と力を合わせていただきたい――我らの軍・政治調査センターから軍事専門家をコンサルタントとして提供する用意がある。本日これに関する最初の交渉がなされ、協力的な姿勢を取っていただけた。一緒なら、滞りの理由を明らかにし軍後方部にも動いていただくことができるだろう。
(3) 保安庁は、ザカルパッチャ州で政権崩壊を呼び掛けるフェイスブック利用者に対して訴訟を起こした。
やっとである。SNSが清浄化されるときが待ち遠しかった。刑法典第109条が(政権略奪を狙った行動)相変わらず有効であることを考えると、なおさらである。敵の宣伝をする者などがその活動拠点を、「自由溢れる愛なるロシア」の疑似体験もできる心地よい留置所に移せば、本人らも社会も、お互い得するだけだろう。
またラーダ[議会]は、テロの経済的支援に対し刑事責任を導入した。刑罰としては没収を伴う10年以内の懲役が課される。
言うまでもなく、牙が抜けた状態では国家も自己防衛ができない。ウクライナが少しずつ牙を生やし始めていることは、充分喜ぶ理由になるだろう。
(原文: ドミトロ・ティムチュック)
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