原文はこちら。(byドミトロ・ティムチュック)
5月12日の分はこちら。
※ 3月10日からウクライナで活動しているボランティア情報局、「情報レジスト」(”情報で抗議する”)リーダが発信しているその日の記録を、要約し一部解説を加えたものです。※
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■ 悪かったこと ■
(1) きょうはウクライナ軍をはじめ、全国にとって悲劇的な一日である。
きょう、クラマトルスク市(ドネツク州)付近で第95航空機動部隊が伏兵に遭い、部隊員6名はその場で死亡、負傷した1名はのちに死亡した。
ウクライナ兵が亡くなっていたのはオープンな衝突だったら話は別だが、親ロシアテロリストはあまりにも臆病である。背後から切る、伏兵を配置する、一般市民を盾にして撃つような卑怯な戦い方しかできないのである。
同時に、ウクライナ軍の各地幹部に問いたくなる。対テロ作戦実施地でなぜ基礎的な戦闘支援もなされていないのか。偵察や警備隊はどうしたのか。
ウクライナが平和になるまであとどれくらい血が流さなければならないのか、誰にもわからない。しかし筆者は、落とされた命は決して無駄ではなかったと、心から信じている。彼らの命と引き換えに得られるのは、我が国の自由と一致である。忘れられることが永遠にありませんように。
(2) 一部の政治家や専門家が「対話」を呼び掛けているが、きょうのクラマトルスク市付近の出来事からも、テロリストとは対話などできるわけがないことが明らかである。
ドンバスでは、平和を望む者だけと対話ができ、対話をすべきである。しかし、ウクライナの土地をウクライナ人の血で染めている犯罪者とは、銃による対話しかできない。
■ 良かったこと ■
(1) 検察総局は、いわゆる「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」をテロ組織と認めるように求める予定である。
待ちくたびれた決断である。二つの「共和国」がサンデースクールでもホームレス支援団体でもないのは、きのうのおととい明らかになったことではない。検察がなぜ今まで悟りを開けなかったのかは不明であるが、やっと悟ってくれたことには感謝しよう。
(2) 「ドネツク人民共和国」は、一連の政治家の立ち入りを禁止してアメリカやEUに対して「制裁措置」を宣言した。
なんという残酷な仕打ちだろうか。オバマ大統領もメルケル首相も、例年のドンバス訪問や炭鉱三昧ができずに悲しすぎて心を痛めないか、心配でならない。
皮肉はさておき、親ロシア分離独立主義者がそのおかしく愚かな正体を晒せば晒すほど良い。そうすれば、ドンバスの住民も、いかに危なっかしい集団を相手にしているか、気付くのかもしれない。
(3) ドンバス代表を装う親ロシア暴力団同士で内輪争いが勢いを増している。たとえばきょうは、ルガンスク自称人民知事ボロトフが暗殺されそうになった。(ロシアマスコミの情報なので、信じていいかは別問題だが。)まるでクーデターを繰り返すアフリカのどこかの国のよう。
いずれにしても、自分たち同士で喧嘩をしていればよい。この連中には共食いがよく似合うのだ。
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「情報レジスト」のアーカイブ(4月2日~17日)はこちら。(Архив переводов ИС со 2-го апреля)
「ウクライナ情勢ーーよくある質問(ウクライナ人の視点で)」はこちら。(Мини-ликбез)
在日ウクライナ大使館、報道センター(声明およびコメント)HPはこちら。(Прес-центр посольства України в Японії)
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