【情報レジスト】 4月28日(月)のまとめ――要約・解説

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原文はこちら

 

※ 3月10日からウクライナで活動しているボランティア情報局、「情報レジスト」(”情報で抗議する”)リーダが発信しているその日の記録を、要約し一部解説を加えたものです。※

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■ 悪かったこと ■

(1) 反テロ作戦は、茶番と化してしまった。

残念ながら、ウクライナの現状は、敵国ロシアがチェチェン共和国やグルジアで直面していた状況と同じである。国のトップが自分の利益ばかりを考えている間に、対立上の決断は個別部隊の幹部が自己責任で背負うことになっている。

当時のロシアとはしかし、2つの点が違う。ロシアの場合はロシアが始めた略奪敵戦争であり、各部隊の幹部は制限なしで動くことができた一方で、ウクライナ の場合は自衛戦争であるにも関わらず各部隊の幹部には厳しい制限が設けられていることである。ウクライナ軍の一歩一撃すら国のトップに口出しをされる。そ の結果は悲惨である。

われわれ情報レジストグループは最後の最後まで暫定政府のやり方を批判することを避けてきた。しかし、これではいけない。ウクライナの兵士や中将たちが人質に取られており、またウクライナの主権性と領土保安がかかっているのだから。

(2) きょうはたくさんの血が流された。

Donetsk. April 28, 2014.

ドネツク市 4月28日

朝は、クラマトルスクで二人の負傷者が出た。保安庁の人と内務省軍の人、テロリストとの衝突で負傷。

また、手製爆弾の誤爆の結果ウクライナ軍の契約兵が一人死亡、もう一人は負傷している。詳細は内務省が説明してほしいところだが、戦闘でもない状況下で軍人が死亡してしまうことは、いただけない。

(3) スラビャンスク市はますます無法地帯へ。

テロリストらがどうやら、記者の認定登録を始めたよう。それも、ロシアの記者を中心にである。
そもそも、反テロ作戦が行われている地区で 、ウクライナ治安機関からの許可を受けずに(外国の、ましてやロシアの) 記者が自由にうろうろできているのは何事だろうか。ロシアのマスコミにおけるウクライナの見せ方を考えると、なおさらである。(※「よくある質問」の 「プーチンTV」をご参照。)

また、大統領選候補者ツァリョーフ氏(※4月9日、11日の「情報レジスト」をご参照)が分離主義者らのために「支援物資」をスラビャンスクに運び各検問所でそれを配っていた。このような人物がよくも正式的に大統領選に出馬できたものだ。

Tsaryov in Sloviansk

スラビャンスク市のツアリョーフ氏

(4) きょう、ハリコフ市のケルネス市長を狙った暗殺未遂があった。

Hennediy Kernes

ケルネス市長

もともとヤヌコヴィッチ政権の支持者であり、刑事事件に関わるグレーな過去を持っているケルネス市長。その経歴や評判をあげるまでもなく、筆者自身も好きな人物ではない。しかし、何らかの理由でわれらと同じように銃口を向けられる側に回るはめになった。

この暗殺未遂は、政権崩壊後以来ケルネス市長がやっとの思いで保ってきたハリコフ市の脆いバランスを崩し、ロシアの国旗を掲げた新たな「人民共和国」もどきを立ち上げるための工作にしか思えない。気が重くなる出来事である。

 

■ 良かったこと ■

(1) EUが、ロシアに対する制裁措置の幅を広め、直接対象になる政府代表者の範囲を増やした。また、「第3段階」の措置として特定の人に対してではなく、各経済分野を狙った制裁措置を検討されているよう。
1ヶ月以上も前から話し合われている「第3段階」の措置だが

(2) 保安庁は、スラビャンスク市の自称副市長ペレパチャエンコ氏を逮捕した。ペレパチャエンコ氏は地元の警察官で、ロシア軍参謀本部情報総局派遣の破壊・調査 隊の指示で動いたいたシタッパであった。戦争時ならリンチされてもおかしくないはずが、ヒューマニズムの時代には命を守られた。

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内務省は、一部の地域の留置所がロシアの破壊活動家やその地元協力者らでいっぱいであることを嘆いている。拘束される分離主義者が増えるほど野放しにされる人数が減っていくわけなので、良いことと考えよう。

(3) ヤツェニューク首相によると、ウクライナはスロバキアとガス逆送輸入に関する覚書に著名した。それと同時に、中央政府は条約に反してガス価格を上げたロシアのガスプロム社に対する起訴に備え中である。

政府が無力さを疲労しているロシアとの対立が終わるかは筆者にはわからないが、エネルギーにまつわる対立においてはせめての抵抗がなされている。あとは、最後まで成し遂げてくれるか、である。

(by ドミトロ・ティムチュック)

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「情報レジスト」のアーカイブはこちら。(Архив переводов ИС со 2-го апреля)
「ウクライナ情勢ーーよくある質問(ウクライナ人の視点で)」はこちら。(Мини-ликбез)

 

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