原文はこちら。
====================
【東南ウクライナの事情について】
原文: ドミトロ・ティムチュック
訳: マリヤ・ナウゴリナ(Переклад: Марія Наугольна)
4月11日以降、ウクライナの東地方には、反ウクライナ勢力によって、ロシアの主導や支援で、あるシナリオが実行中。その実行開始は従来4月8日の予定だったが、ウクライナの警察・治安機関の努力により一度予防されている。
【シナリオの内容】
地方行政庁舎、また警察・軍施設をなるべく多く占拠すること。
武器倉庫を乗っ取り、中の武器をなるべく多くの過激主義者の支援者に配布すること。
全体として、地方状態の最大限に不安定化させること。
【シナリオの目的】
・戦術的な目的:
4月17日ウ・露・欧・米の参加でウクライナ問題が話し合われるジュネーブ会合でロシアが、ウクライナ政府の「地方によっては地方ごと認められておらず、国をコントロール出来ていない」様子を証拠に、「非合法的なもの」として暫定政府を問題にできるようにすること。
・戦略的な目的:
少なくとも、国連制の導入。
最終目的はウクライナの分裂。混乱に陥れられた地方をウクライナから分離させ、体裁だけの「国家」にすること。
情報レジスト・グループの結論では、ロシアへの編入は予定されていないと思われる。
【シナリオの駆動力】
① ロシア軍参謀本部情報総局(GRU)
ウクライナやウクライナの国境付近にあるロシアのコーディネータ網が代表。
こ の二日間、以前「クリミア半島」のシナリオに関わったコーディネータの導入が広範囲において行われており、また、ウクライナ国内過激集団の協力で作られた 国境の「通路」を通して、GRUの小部隊が複数派遣されている。その目的は、小さな町の地方行政施設を占領する過激主義者に直接援助を与えることである。
特に、ウクライナ国境付近にあるロシアの飛行場で空軍のヘリコプターなど約240台が集中していることが心配である。これらは、更なる軍力や牽制活動団を東ウクライナに送り込むために利用されかねない。
指導はロシア軍参謀本部情報総局のロストフ・ナ・ドヌー支部から行われている。
② ロシア保安庁 (FSB)
諜報活動家網が代表。
東ウクライナにおけるウクライナ人の大規模徴募が目的。リクルートされた住民はGRUが実施している撹乱活動に利用される。
指導は直接モスクワから行われている。
③ 過激主義者(分離独立主義者)
公式・非公式的社会集団。コーディネータ網から指示を受けGRUの道具となる。
資金供給方法は以下の三つ:
1.ロシアから直接コーディネータ経由で流れる資金
2.クリミア政府を経由してロシアから流れる資金
3.地元の富豪らが提供する資金
④ 集団非所属の現地住民
シナリオの実現に不可欠なエキストラ、いわゆる「大砲の餌食」。
一部はウクライナを憎みロシアに賛同している人もいるが、大多数はお金をもらって参加している。
===========================
「情報レジスト」のアーカイブはこちら。(Архив переводов ИС со 2-го апреля)
「ウクライナ情勢ーーよくある質問(ウクライナ人の視点で)」はこちら。(Мини-ликбез)
Pingback: 【情報レジスト】 ウクライナ南東部状況の簡略分析(4月11日現在) | Israel Foreign Affairs