【情報レジスト】 4月25日(金)のまとめ――要約・解説

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原文はこちら

 

 

※ 3月10日からウクライナで活動しているボランティア情報局、「情報レジスト」(”情報で抗議する”)リーダが発信しているその日の記録を、要約し一部解説を加えたものです。※

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 悪かったこと 

(1) けさ、オデッサ市(南部)の検問所付近で「何者か」が手りゅう弾を投げ、7名を怪我させた。同日の昼は、5月9日(「勝利の日」――終戦記念日)に向けて動いていた過激集団が逮捕されたことが発覚。ウクライナ保安庁情報では、当集団は「勝利の日」の当日「ロシア放送局の注文で」公の場で軍隊のベテランに暴行を加える準備を進めていた。

各治安機関が東部騒動に力を注ぐと同時に、南部のオデッサ、ムィコラーエフ、ヘルソンをもモニタリングしていることはやはり正解である。5月1日(旧ソ連では「労働の日」)や5月9日に際して似たような悪質な演出が急増することが予想されるのである。

(2) クラマトルスク市飛行場で過激集団から射撃されウクライナ治安機関のヘリコプターとAN-2航空機が燃焼。

反テロ作戦に使われる戦略的サイトの護衛がこれだけ無防備な状態になっているのは、常識に反しすぎて気がかりである。

(3) スラビャンスク市では、OSCEの監査団を載せたバスが略奪された。デモ隊がこの上なく思いあがっている模様。

過激集団事態はロシアのプロ破壊活動家の指示で動く犯罪者酔っ払いの群れなのだから、良心に訴えても仕方がない。しかし、反テロ作戦が真っ最中にもかかわらずこのような状況を許してしまうウクライナ政府の無力さは、恥さらしもいいところである。

 

 良かったこと 

(1) ロシア議会が、ウクライナへの軍事介入に反対した。

ロシア議会マトヴィエンコ議長は、ウクライナ危機の解決に向けて交渉を続けなければならないと主張。マトヴィエンコ議長はプーチンの代わりに発言するにすぎず、大した影響力を持っていることには期待しない。3月上旬同議会が喜んで軍事介入に賛成しているのである。

これはプーチンが、万が一軍事介入が妥当でないと判断したときに備えて保険をかけているにすぎず、ウクライナへの介入を諦めたとは思えない。

しかし、多少ほっとできる主張ではある。

(2) ウクライナ外務相がよく頑張っている。

ロシアのチュルキン国連大使の発言に対して発表された文書はボリューミであるが、良く整理されている(英文はこちら)。ウクライナがロシアの平和維持部隊を必要としないこと、モスクワでは同視されている東部の親ロシアデモ隊とロシア系住民が違うこと、テロリズム対策ではウクライナが武力を使う権利を持つこと、明確に述べられている。

外務省こそがウクライナのイメージ作りに努める組織。良い仕事をしているのである。

(3) スラビャンスク市の解放作戦が完全に成功しているわけではないが、せめて市は包囲されている。

(4) 良かったことと言うより感想であるが、東部危機に対する大統領選候補者の振る舞いには興味深いものがある。

4月半ばルガンスク市で分離独立主義者らに卵を投げられたドブキン氏(地域党)は地元のハリコフでおとなしくしている。

ティギプコ氏(同じく地域党)は、デモ隊と交渉しようと占拠されたルガンスク市の保安庁支部に入り、しばらくして出た後、一部の報道が正しければ、分離独立主義者と握手して「では、みんな、頑張りなさい」とだけ言っておき去って行ったという。

ポロシェンコ氏(現時点で支持率が最高の候補者)は先日ルガンスク市に着陸したが、空港で親ロシア派のデモに囲まれ動きが取れなくなった。分離独立主義者らの動機が良く理解できない。ポロシェンコ所有の製菓企業「ロシェン」のロシア輸出をロシア側に止められたり、ウクライナ政権崩壊後ロシアにある工場を略奪されたりしながらも、ポロシェンコ氏こそが親ロシア派の大好きなロシアと冷静に対話を続けられる能力を示した人物である。

ポロシェンコの次に支持率が高いティモシェンコ氏は、分離独立主義者らとの合意を得たと主張。しかし、ルガンスクのデモ隊はそれを否定した。ティモシェンコが豊かに挑戦しているテレビディベートでも設けて、国民の目の前でデモ隊を再び説得してくれないものだろうか。

以前クリミアを訪問し親ウクライナ住民に会ったコロレヴシカ候補者は今度、東部「ホットスポット」のクラマトルスク、スラビャンスク、ドネツク州庁舎を訪問した。訪問の後、東部には銃を持った若僧の他に「セパラティスト」と言われたくはない数百万人のウクライナ人、世界から隔離された年金受給者や小さな子どものいる家族など、国からの手当金に依存している人がいるのだという、あまりなされない主張をした。

ここで評価したいのは、ロシアに煽られているこの紛争(軍事的なものも政治的なものも)では、「普通の人」の存在が忘れられがちである、という考え。「普通の人」のことをしっかりと考えることこそが各地の安定への近道であることを、今後ウクライナのトップに立つ者が肝に銘じてくれることを祈る。

 

(by ドミトロ・ティムチュック)

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■ 訳者コメント: 「地域党」について

地域党は野党ですか?」とよく聞かれるが、若干複雑な存在である。

「地域党」は、ヤヌコヴィッチ政権時の与党である。ヤヌコヴィッチ前大統領は本来地域党の総裁を務めており、ヤヌコヴィッチが2010年大統領になってから新たな地域党総裁アザロフ氏が首相に任命された。2012年の議会選では、ウクライナ議会450名のうち187名(約42%)を占めた。

ヤヌコヴィッチ政権は崩壊し内閣は入れ替わっているが、議会はヤヌコヴィッチ政権当時のままであり、また支持率の高いクリミアや東部などでは地域行政に影響を与え続けている。ヤヌコヴィッチの逃亡後は政党として「反政府抗議時のヤヌコヴィッチ前大統領の政策を批判する」ことを公表し、一連の党員が脱党するなど一時変化を見せたものの、党全体として引き続き親ロシア的立場を取っており、反テロ作戦や東部の過激集団との交渉に関する各議決を定期的に妨害している。

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「情報レジスト」のアーカイブはこちら。(Архив переводов ИС со 2-го апреля)
「ウクライナ情勢ーーよくある質問(ウクライナ人の視点で)」はこちら。(Мини-ликбез)

 

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