【情報レジスト】 4月24日(木)のまとめ(の要約)

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原文はこちら

 

 

※ 3月10日からウクライナで活動しているボランティア情報局、「情報レジスト」(”情報で抗議する”)リーダが発信しているその日の記録を、要約し一部解説を加えたものです。※

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■ 悪かったこと ■

(1) ロシアは、ウクライナ国境付近で大規模な軍事演習を始めた。ショイグ国防相(露)によると、これはウクライナ東部で実施中の反テロ作戦に対する反応である。

第一に、「反応」というのは嘘である。最近の出来事に反応したというのであれば、今まで1ヶ月半にわたりウクライナ国境付近で5万人の軍を集結させた目的は何だったのだろうか。
実際は、その軍集結の口実が欲しくて(運良くばついでにウクライナへの軍事介入の口実も)、必死で足掻いているのでは。

第二に、反テロ作戦に反対しウクライナ国内のテロリストらの肩を持つことで、ロシアが事実上テロ大国であることを認めている。とっくにわかっていることではあるが。

いずれにせよ、4月末の東部国境は、2月末のクリミアとの境目とは違うことを、プーチン氏に自覚していただきたい。ウクライナ軍は2カ月でかなりの成長を遂げているのだ。

(2) ドネツク州議会が、ロシアとの共振を見せている。

24日発表された声明の中で、反テロ作戦を取りやめ治安部隊をいつもの配属先に戻すようにと、政府への要求が出されている。クレムリンから指示があったかのように、「反テロ作戦にはロシアのみならず現地の自治体すら反対している」と言える根拠を作り出している。

これは、敵を直接助ける行動である。

(3) 検事総局によると、ルガンスク州では合計1200名の挑発者(ロシア側にリクルートされた者)が見つかり訴訟を起こされている。ロシア側から大統領選の中止を狙い破壊活動を行うよう指示を受けていたという。

これでも氷山の一角にすぎない。ロシアの思惑通りに動く者がウクライナに他にどれくらいいるのかは、誰にもわからない。

 

■ 良かったこと ■

(1) 反テロ作戦は続いている。クレムリンからの遠吠えやそれにハモって吠えるウクライナ国内のプーチン信者をよそに、各治安機関は動いている。

確かに、厳しい制限の中でその実力の1割も発揮できていないのだが、以前のように物事を見守るだけでやられっぱなしの状態からは脱している。

トルチノフ大統領代行ははっきりと、テロ脅威の前に引き下がることはしないと話した。今までの優柔不断さと比べ物にならない、しっかりとした態度を見せてくれた。

キャサリン・アシュトンのスポークスマン、マイケル・マンが、ウクライナが行う反テロ作戦はジュネーブ共同声明に反していないことを主張したとの報道もあり、国家の主権性を守るために武力を使うウクライナ政府の権利をEUでも認めているよう。

(2) 中央選挙委員会オヘンドフスキー会長は、いかなる政治的状況下でも5月25日の大統領選は実施されると述べた。

もちろん、大統領選が実施されてもロシアが引き下がるとは思えないが、25日まで耐えられたら、世界が認める大統領ができ、「合法的なヤヌコヴィッチ大統領」を盾にウクライナ政権を批判することも困難になることだろう。

(3) ロシアのNTV放送局が、ウクライナでNTVの従業員が行方不明になったと主張した。お気の毒だと言いたいところだが、文字どおりの「ミイラ取りがミイラに」ということで自業自得だと言いたくて仕方がない。

(by ドミトロ・ティムチュック)
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■ おまけ: 軍事演習の奨励金について訂正

先日の「情報レジスト」「悪かったこと②」では、軍参謀本部が軍事演習の奨励金のうち964万フリブナ(全体の約半分)を懐に入れたという情報があったが、国防 省の報道部からは「本部の人員に割り当てられるのではなく、高速遊撃隊や第8軍団など、本部直轄化にある各部隊に与えられるため、誤解なさらぬよう」と主 張(国防相HP)。

トィムチュック氏はその事実を認めたが、本部人員にも、各部隊の人員よりも割高の奨励金が渡ることになっているという情報もあるようで、「引き続き状況を見守る予定」とした。

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「情報レジスト」のアーカイブはこちら。(Архив переводов ИС со 2-го апреля)
「ウクライナ情勢ーーよくある質問(ウクライナ人の視点で)」はこちら。(Мини-ликбез)

 

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